気軽に楽しみながら書ける!カンタン感じのいいハガキの書き方

電話やインターネットの普及した現代だからこそ、手紙やハガキによる温かいコミュニケーションが見直されてきています。とくにハガキは、気軽にいつでも書けるのが大きな魅力。しかも封書ほど形式ばらず、電話よりは個性的、印象的なものになります。そこで今回は、簡単でしかも相手に好印象を与えるハガキの書き方をご紹介します。

(監修/佐竹 茉莉子)

気軽に楽しみながら書ける!カンタン感じのいいハガキの書き方

書く前に心がけておきたい事

ハガキを書き始める前に、ごく基本的な心構えや、常識的なことを紹介します。いくら手紙の内容がすばらしくても、たったひとつの非常識が相手にマイナスの印象を与えてしまっては台無しです。

  1. 字は下手でもいいからていねいに!
    粗雑な印象を与えないよう、一字一字はっきりていねいに書くことで、相手にあなたの誠意が伝わります。

  2. 封書とハガキの使い分け
    ハガキはもともと略式のものですが、最近では厳密なハガキと封書の使い分けをしなくなっています。
    封書で書くべき手紙は、

    • 人に見られて困る用件のとき
    • あらたまった手紙
    • ハガキでは書ききれないとき

    などです。これらを基本にした上で、目上の方へや、お礼状などもハガキで出しても失礼にはあたりません。

  3. 鉛筆やシャープペンはさける!
    ハガキのもつ気軽さからも、あまり筆記具にこだわる必要はありませんが、鉛筆やシャープペンで書いた手紙は、安直でいい加減な印象を与えてしまいます。ペンタイプの筆記具を、また目上の方にはブルーやブルーブラック、ブラックのインクで、万年筆などで書くのが無難です。

  4. 誤字脱字に注意! 字配りに注意!
    手紙を書くときは一字一字ていねいに、書いたあとは必ず読み直すのが基本です。また、「あなた(あ─なた)」「お幸せ(お幸─せ)」など、相手側をさす言葉や、ひと続きの言葉が行末にくる場合は、二行にまたがらないよう、字の大きさを調整するか、行末を少々あけても次の行に書くようにしましょう。相手の名前、縁起のよい言葉はとくに気をつけましょう。

  5. 話し言葉よりていねいに書く
    よほど親しい相手は別として、話し言葉をそのまま文章にしてしまうと、相手にぞんざいな印象を与えてしまいます。しかしあまり堅苦しい言葉でも、よそよそしくなり、文章が生き生きしません。ふだんの話し言葉よりていねいに、を心がけましょう。

ハガキ文の組み立てと書き方のコツ

ハガキ文の組み立てと書き方のコツ

  1. 書き出し
    書き出しは季節のあいさつで始めるのが無難です。実感の伴った「大分寒くなりましたね」などという言葉で書き始めると、あとが続けやすくなります。また、「お元気でご活躍のことと思います」「落ち葉の道をさっそうと通勤なさっていますか」など、相手のプラスイメージで書き始めるのも好印象を与えます。ハガキは書ける行数が限られていますので、書き出しのあいさつは「短く、すっきりと、スマートに」が、基本です。

  2. 先方の安否をたずね、こちらの安否を伝える
    ごぶさたしている場合、相手が年配、病後などの場合は、「その後、おすこやかにお過ごしですか」などと、とくにこまやかな言葉をかけましょう。その後に自分や家族の近況を簡潔に知らせます。

  1. 本文
    文の頭は改行ごとに1字下げても、下げなくてもかまいません。行数が少ないときは、行の頭を揃えたほうがきれいです。

  2. 結びのあいさつ
    「お元気でよいお仕事を」「いつの日もおすこやかに」など、相手を思いやるやさしい言葉で結ぶと、好印象です。目上の方には「向寒の季節、ご自愛ください」など、ていねいな気づかいを示したいものです。

  3. 結語
    「かしこ」は女性だけが使う結語です。「一筆申し上げます」、「前略申し上げます」など、どんな頭語にも組み合わせられます。頭語なしの書き出しにも使えるので、ハガキの末尾に用いると、相手にていねいな印象をあたえる効果があります。

すぐに役立つ!超実戦ケース別文例

年末年始

お歳暮をいただいたとき(夫の知人へ)

●お歳暮をいただいたとき(夫の知人へ)

ていねいに一年間の厚情やおつきあいに感謝の気持ちをあらわします。夫あてのお歳暮でも、相手をよく知っているときは、夫の感謝を代弁して妻の名前でお礼状を出してもかまいません。

お歳暮をいただいたとき(夫の知人へ)

年賀状(知人へ)

●年賀状(知人へ)

年賀状は元日に届くように、が大原則です。また印刷の年賀状も少なくありませんが、ひとこと自筆で書き添えると、儀礼的な雰囲気から心が通ったものになります。

お祝い・おめでたい手紙

結婚式の招待状への返事1結婚式の招待状への返事2

●結婚式の招待状への返事

返信ハガキは必ず期日までに出しましょう。「御」「御芳」などは、二本線で消します。表書きの「行」も「様」に訂正します。出欠席いずれの場合も、ひとことお祝いの言葉を添えたいものです。

出産祝いをいただいて(親戚へ)

●出産祝いをいただいて(親戚へ)

品物をいただいたときは、まず気に入った点をほめ、どのように使いたいか伝えます。子供の心配ごとなどは書かず、お礼に徹します。また相手の家庭への気づかいも忘れないようにしたいものです。

入学祝いをいただいて(親戚へ)

●入学祝いをいただいて(親戚へ)

具体的に使いみちが決められないときは、「有意義に使わせていただきます」などとあらわしましょう。またハガキに一言、子供の直筆で「ありがとう」 と添えたり、クレヨンなどで絵を描かせるのも喜ばれます。

新築を祝って(親戚へ)

●新築を祝って(親戚へ)

設計の工夫や環境のことなど、新居について知っていれば具体的にほめます。ただし大げさに「豪華なお宅」などとほめるとイヤミな感じを与える場合もあるので注意しましょう。また「壊れる」、「倒れる」、「燃える」などの言葉はさけましょう。

その他

入院見舞いのお礼

●入院見舞いのお礼

入院のお礼は、ご足労、お見舞いの品、励まし、それぞれに丁重にお礼を。お金をいただいたときは、「お金」ではなく「お見舞い」「お気持ち」などと表現したほうが上品です。長期療養になりそうな場合も、愚痴や不安を書かず、できるだけ前向きの文面にしましょう。

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