冷感タイプと温感タイプ、ハップ剤の使い分け法

(監修/医学博士 橋口玲子)

ねんざや打ち身、腰痛、肩こりに、今やハップ剤はなくてはならないものです。患部に貼って、痛みや炎症をやわらげるこの貼り薬には、温感タイプ(温湿布)と冷感タイプ(冷湿布)の2種類があります。

ふだん私たちは、とにかく湿布をすればいいという考えで、冷感と温感を意識せず使っています。しかし、実際は症状によって選ぶタイプが決まっています。

冷感タイプはメントールの働きにより、貼った後に患部がひんやりとし、一時的に痛みの感覚をマヒさせます。このタイプは手首や足首をひねってねんざしたり、打撲で腫れるなど、患部が熱をもっている時に使うと有効です。

肩こりや腰痛には、患部が熱をもっている時のみに使い、慢性化した症状には使わないほうがいいでしょう。

温感タイプは逆に、トウガラシエキスなどの成分で患部を温め、血行をよくする働きをもっています。しかしトウガラシエキス入りタイプは、貼った部分の皮膚温度が3℃程度も上がるほど刺激が強いので、肌の弱い人には向いていません。最近ではトウガラシエキスが入っていないハップ剤で、40~42℃の一定温度で数時間発熱するタイプのものもあり、こちらは肌の弱い人にもおすすめできます。

温感タイプは熱をもっていない、一般的な肩こりや腰痛などの慢性的な症状に効果的です。ふたつのタイプのハップ剤を、患部の症状によって、使いわけてください。

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