肩こり・腰痛の解消には、日常の動作や姿勢、習慣の見直しが必要!

肩こり・腰痛は、無意識な日常生活の動作が原因であることが多いものです。その原因をさがし、正しいケアをすれば、この悩みを予防したり、解決することもできます。

肩こりや腰痛がどうして起こるかご存じですか? 筋肉が緊張を続けることで腫れ、そこを通る血管を狭めて、血の流れを悪くするといわれています。よく肩こりの部分を押すとぽこっとコブのようになっている所があります。これは、血が流れずにたまってしまった状態と考えられます。
腰痛も、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアなどの場合は別ですが、それ以外でだるさや痛さを感じる場合は、やはり筋肉の血流が悪くなっていることが多いようです。
肩こりや腰痛はつらいだけでなく、放っておくとほかの部分に影響を及ぼすこともあります。
そこで今回は、日常生活のなかで簡単にできる肩こり・腰痛の予防策や解消法について、医師の橋口亮先生、鍼灸師の渡部信一先生に教えていただきました。(監修/医師 橋口亮先生)

気づかない動作や週間を直して肩こり・腰痛を解消

肩こり・腰痛の原因は、いろいろ考えられます。たとえば、同じ姿勢をずっと取る。立ち放しや座り放しは、腰の筋肉に影響し、血流を悪くします。また、長い時間書き物をしたり、パソコンを打ったりしていると、腰だけでなく、肩のこりも生じます。さらにパソコンの場合、じっとモニターを見つめることが多いので、目を疲れさせ、それが肩こりの原因になることも多いのです。パソコンに限らず、細かい作業などでも、目の筋肉の疲れからくる肩こりは多いようです。

日常の気づかない動作や習慣が、肩こりや腰痛の原因になる

正しい姿勢をとってこりを起こさなくする

一方、バランスの悪い姿勢をとっていることが、肩こりや腰痛の原因になることも多く見受けられます。たとえば、ショルダーバッグを常に同じ側の肩にかけていたり、いつも同じ足を組んでいると、一方の肩が下がったり、腰がゆがんだりして、負担がかかります。また、歩き方も原因の1つ。靴のかかとを見て、外側だけ、内側だけが減っているのは、体のバランスが悪い証拠。歩いているときに体が右か左に偏っているので、知らず知らずのうちに肩や腰に負担をかけているのです。

靴があうか、あわないかもチェックポイントです。さらにハイヒールやぽっくりのように全体が高くなっている靴は、正しい歩き方が出来にくく、体のバランスを悪くしています。座っているときの姿勢も要チェックです。デスクワークをしている時に、体が一方に偏っていたり、首が前に傾斜していたりすると、筋肉に影響を与えます。

痛みが生じたら、まずその原因を探り、取り除くことが大事です。日常のちょっとした動作や習慣を直すだけでも、ずいぶんと違ってくるはずです。

仕事の合間の軽い運動で筋肉をほぐそう

肩こりや腰痛を解消する一番の方法は、筋肉をほぐす運動です。
たとえば、

  1. 両腕を真上にあげ、大きく背伸びをする。
  2. 首をゆっくり大きく回す。
  3. 肩を前後に回したり、腕全体を大きく回す。
  4. 大きく背中を反らせる。
  5. 両手を頭の後で組み、手のひらを外側に向け、上にあげる。

家事や仕事の合間に一息ついたとき、こうした動作をちょっとするだけで、体の筋肉がほぐれます。痛い部分を軽く押しながら動作を繰り返すとさらに効果的。この時に大切なのは、無理をしないことです。痛いところを無理に動かせば、痛みがよけいにひどくなることもあります。

筋肉の強化が肩こり、腰痛の予防に!

また、肩こりや腰痛を予防するには、筋肉の強化も大切です。とくに腰痛には腹筋運動がおすすめです。

現在よく行われている腹筋運動は、図⑥のように、膝を立てて、おへそが見える程度まで上体を起こすという方法です。もちろん、最初はおへそが見えないかもしれませんが、続けることによって、上体が徐々に起きられるようになってきます。

この時も、最初から何十回などと無理な目標は立てず、できる範囲で続けて、回数を増やしていくことがコツです。その方が体に負担をかけず、長続きします。

腹筋運動と同時に、背筋運動も忘れてはいけません。うつぶせに寝て、上体を起こす動作を続けると、背筋が強くなります。また、脚の裏側のストレッチも腰痛には効果的です。

さて、腰痛は関節がずれていて起こる場合があります。この際に効果を現すのが、腰を回す運動です。たとえば、自転車のチューブを腰の部分に置き、フラフープの要領で回してみてください。(図⑦)これも1日に5~10回で十分です。

グーンと体が楽になる!マッサージ方法と効果

人にマッサージをしてもらう場合は、痛いからといってギューギュー押してもらわないこと。強くもむと、腫れている筋肉がさらに腫れて痛みが増すことがあります。俗に言う「もみ返し」です。また、肩などは、痛い方と反対の肩をもむことで、痛みが和らぐこともあります。

肩の場合は、肩だけをもむのではなく、指先からもみほぐしていくのがコツです。図⑧のように、肩の痛い部分につながるラインにそってゆっくり柔らかくもんでいきましょう。
腰痛をやわらげるには、膝の裏をもむのが効果的です。膝の裏を押すと痛みを感じる所があります。ここをゆっくりもみほぐすことがおすすめです。

また、腕が上がらなくなってしまう四十肩や五十肩などの痛みをやわらげる場合は、図⑨のような腕の上下運動がおすすめです。これを繰り返していると、徐々に手が上がるようになっていくでしょう。

肩こりや腰痛など、筋肉の痛みは、蓄積された痛みですから、すぐに解消するというものではありません。毎日の生活の中に体操などを取り入れるなど、日頃の心がけ、これが一番の解消方法といえるでしょう。

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