カンタン「ストレッチ・運動法・快眠法」!

健康をそこねる原因のひとつは、疲れをためてしまうことです。わかってはいても、ついつい、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、疲れを予防、回復させるための簡単なストレッチと、健康増進のためのウォーキング、室内でできる運動法、疲れを次の日に残さない快眠法を紹介します。(監修/医学博士 橋口玲子)

誰にでもできる簡単ストレッチ

いつでも、どこでも簡単にできるのがこのストレッチです。もちろん運動は苦手という人にもおすすめです。肩や首にコリがたまる前に、ちょっと疲れたな、と思ったら実行してください。

全身伸ばし

全身伸ばしは腕、肩、背中、腰をストレッチするので、これを4~5回繰り返すだけで、体がスッキリします。

全身伸ばし

首のストレッチ

首に力を入れて曲げるのではなく、腕で首を伸ばしてあげることが大切です。自分の腕ではなく、誰かに首を伸ばしてもらっている、とイメージするとうまくいきます。

首のストレッチ

肩のストレッチl

引っ張られる側の肩甲骨が、持ち上がるのを意識しながら行なってください。

肩のストレッチl

肩のストレッチll

首のストレッチと同じように、引っ張られる側は力を抜き、引っ張る方の腕は誰か別の人が引っ張ってくれているようなつもりでやってください。

肩のストレッチll

手首のストレッチl

手首のストレッチl

手首のストレッチll

このストレッチは、両方の手首、肘、肩が一度にストレッチできます。

手首のストレッチll

今までほとんどストレッチをやったことがない方は、何か面倒くさいと思うかもしれません。しかし一度に全部やる必要はありません。回数は少なくても、まずやってみることです。気持ちがいい、と感じれば自然と身につくようになります。

1日30分でOK!エクササイズ・ウォーキング

ウォーキングのような動的運動を続けると、血圧や血糖値の低下、善玉コレステロールの増加、息切れの改善、減量などに効果があります。また精神的な開放感も無視できません。快調なペースで歩くことで気分が高揚し、俗に脳内麻薬といわれるエンドルフィンやエンケファリンの濃度が高くなり、神経免疫学的にも、ストレスの緩和や疲労回復に役立つといえます。

無理に速く歩く必要はありません。しばらく歩くと汗ばむが呼吸はまったく苦しくない、というくらいのスピードが適当です。

1日30分以上、週4日以上歩くのが理想的でしょう。また30分続けて歩かなくても、1回10分のウォーキングを3回歩けば、同じ効果が得られる、という報告もあります。時間がないとあきらめず、ちょっとした時間を利用したいものです。

動きやすい服装で、靴はスニーカーがベスト。底の硬い革靴や、パンプスやサンダルのような固定の悪い靴、踵の高い靴は足を痛めます。さらに荷物は持たないのが基本です。

1日30分でOK!エクササイズ・ウォーキング

「運動の苦手な人・筋力に自身がなく冷え性の人」は、静的運動を!

筋肉に一定の負荷をかけて静止する運動を静的運動といいます。この運動は筋力を増し、筋肉を発達させて体を引き締める効果があります。ここでは運動の苦手な人や、筋力に自信がなく冷え性の人に、室内でもできる静的運動をいくつか紹介します。

らくらく腹筋トレーニング

仰向けに寝て、足を10cmくらい持ち上げ、そのまま静止するだけです。

この体勢がきつくなったら足をおろして休み、また持ち上げるということを数回繰り返してください。

いすに座ったまま足を少し持ち上げるのも同様の効果があります。このとき、背もたれのまっすぐな、硬めのいすを使ってください。

らくらく腹筋トレーニング

らくらく腕立て伏せ

壁を利用して行う腕立て伏せは筋力のない人にもおすすめです。

通常の腕立て伏せは床に手をつきますが、これは壁に手をついて斜めにした体を腕で支えます。はじめはこの姿勢を保つだけでいいのですが、可能なら腕を曲げたり伸ばしたりしてください。

足の位置を壁から離すほど、運動の強度があがります。

らくらく腕立て伏せ

疲れを残さない!じょうずな快眠法

健康な毎日のため、疲れをためないようにする、質のよい睡眠は、その大切な要素のひとつです。ここでは寝つきの悪い人、寝起きの悪い人へのワンポイント・アドバイスを紹介します。

寝つきの悪い人のチェックポイント

  • ストレッチや入浴法、呼吸法など、自分なりの寝るための手順を決めておく。
  • 夜ふかしの習慣をあらためる。
  • 眠る前にお茶やコーヒー、チョコレート、ドリンク剤などの嗜好品をなるべくとらない。
  • 夕食後は静かに過ごし、眠くなったタイミングを逃さない。
  • 昼間に汗をかくくらいの全身運動をして、活動と休息のメリハリをつける。

またとくに、「ほてり」や「冷え」が原因で寝つきの悪い人は、以下のような方法がおすすめです。

  • 手足のほてりが強い人
    手足がほてって寝つきの悪い人は寝る前に少し体を冷やすとよく眠れる場合があります。夏は寝る前にあらかじめ冷房を少し強めにして部屋や寝具を冷やしてから床につくといいでしょう。
    またこのタイプの人は、寝る前に食事、運動、入浴など、体温を上昇させることを避けることも大切です。
    少なくとも2時間前くらいにはすませたいものです。
  • 冷えの強い人
    冷えの強い人は、食事や入浴などで体を温めておくことが大切です。ここでは入浴法を紹介します。

半身浴

半身浴ができないときは足浴もおすすめです。足首の少し上(内側のくるぶしより指の幅三本分くらい上にある三陰交というツボのあたり)くらいまで浸かるようにバケツなどに湯を用意します。湯にひとつかみの塩や、ショウガのしぼり汁を入れるとさらに温まります。

寝つきの悪い人のチェックポイント

寝起きの悪い人のチェックポイント

  • 日中の活動を活発にし、夜ふかしの習慣を改める。
  • 図のように、深い睡眠やレム睡眠の途中で起きてしまっているな、と思ったら、目覚ましをセットする時間を10~30分くらいの単位で前後にずらし、自分が最も快調に起きられるタイミングをみつけましょう。ただしこれも、毎日だいたい決まった時間に寝つける、という条件があってこそです。

寝起きの悪い人のチェックポイント

以上、日常生活の中で、ちょっとした時間や、ほんの少し意識をかえるだけでできるストレッチや快眠法をご紹介しました。
知らず知らずたまっているのが疲れです。日頃から疲れをためない、ということに少しでも意識をおいて、無理をせず自分にあったペースと方法でさわやかな健康ライフを過ごしてみてください。

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