家庭でできる!カンタン英国式リフレクソロジー
足ツボマッサージは、今やすっかり市民権を得ましたが、それと並んで最近女性を中心に評判なのが、リフレクソロジーです。
足の裏を刺激しながら、五感のすべてを癒しつつ、心身をリラックスさせるこの療法は、ストレスや肩こり、冷え性など、さまざまな症状の緩和に効果的です。
本来は専門のリフレクソロジストに施術してもらうものですが、今回は家庭でカンタンにできる「英国式リフレクソロジー」のエッセンスを、リフレクソロジストの塩瀬先生にうかがいました。(監修/日本リフレクソロジスト養成学院 塩瀬静江)
英国式リフレクソロジーとは?
リフレクソロジーとは、足にある多くの反射区(ゾーン)を刺激し、ストレスや肩こり、腰痛、冷え性などの不調を解消する施術法です。
足の部分と体の内蔵との間には、それぞれ反応しあうゾーンポイントが存在する、という考えに基づいています。
たとえば腰痛の人は、腰と関係のある足裏の部分を押すと、痛みや腫れがあり、それをほぐすことで、腰の痛みなどが緩和されるようになります。
中国では約5000年前に、反射区の原理に基づく医療が行われていました。それが18世紀にアメリカで理論化され、リフレクソロジーとしてヨーロッパに伝わったとされます。リフレクソロジーを大きく分けると、痛い施術法として知られる中国や香港・台湾といった東洋式と、英国を代表とする「痛気持ちいい」と表現される欧米式の2つに分かれます。中でも英国式は、単に足だけではなく、BGMやインテリア、香りなど、五感をリラックスさせて、心とカラダを癒すのが特徴です。
より快適なリフレクソロジーのための3つのツボ!
ご家庭でリフレクソロジーを行なうとき、よりその効果を高めるためや安全で快適な効果を得るための、いくつかの手順や注意点をご紹介します。
ツボ1:指の使い方
ポイントを刺激するときは、親指の平らな部分をポイントにあてプッシュします。また面となるゾーンを刺激する場合は、少しずつ移動しながらポイントを刺激します。
力まかせに押すのではなく、相手の痛みの反応などもみながら刺激します。
くれぐれも爪をたてたりしないでください。
ツボ2:手順とワンポイントアドバイス
- 各所を刺激する前に、まず足全体を軽くもみほぐしたりしながら、4~5分マッサージします。
- 各1ヵ所につき、2~3分間刺激を与えるようにします。
- 指先側から、かかとに向かって刺激を与えるのが基本的な方向です。
- ポイントの刺激が終わったら、最後に必ず水分補給をしてください。水やハーブティーなど、ノンカフェインのものがいいでしょう。これはもみほぐした老廃物を、体外に尿として排出するためです。
- 行うタイミングのもっともいいのは、入浴中や湯上がりです。またひとりでも行えますが、できれば誰かに刺激をしてもらうほうが、よりリラックス効果が高まります
ツボ3:危険なのでこれだけは注意!
- アルコールを飲んだ後はさけてください。
- 食後30分以内は、さけてください。
- 生理中は月経の量が増えるので注意してください。
押せばラクラク!不調別・刺激ポイント
それでは次に、各症状に効果のあるポイントを紹介します。紹介する手順にしたがって、各ポイントを刺激していってください。
頭痛・めまい・耳鳴り・首こり・肩こりなどを軽減する!
- 各指を親指から小指へ、1本1本ほぐす様に回します。各指と指の間は目や耳のポイントです。また親指は頭部のポイントになりますし、この項目のすべての症状に共通する場所なので、しっかりほぐしましょう。
- 小指のつけ根から下のあたりにある肩のポイントを、甲側と裏側の両方をつまむようにもみほぐします。このあたりに、コリコリと硬いシコリのような物が感じられたら、こりがたまっていると考えられます。また頭痛は肩こりが原因の場合もあります。よくもみほぐすと、頭痛が緩和されることもあります。
- 横隔膜ラインの窪みの中央をプッシュします。ここは太陽神経叢というポイントで、神経の緊張をほぐす作用があり、さまざまな症状に有効です。
- 土踏まずをよくもみほぐします。かかと側から爪先側へこすってもけっこうです。この部分を刺激することにより、体の毒素や老廃物を排泄します。
不眠・不安・イライラ・緊張・咳を解消する!
- 親指の腹全体をよくもみほぐした後、中央を強くプッシュします。親指は頭部のポイントで、ここをまず刺激して緊張をほぐします。
- 横隔膜ラインから上、各指の付け根までをよく押しほぐします。横隔膜ラインから上は、肺が中心のゾーンなので、この刺激で呼吸の質を高める効果があります。
- 横隔膜ライン上のくぼみの中央をしっかりプッシュします。くぼみは自律神経に働きかける全体のリラックスポイントです。
- 土踏まずの上部を中心によく押しほぐします。この部分は主に胃や副腎に働きかける場所です。不安やイライラの負担がかかる場所ですので、日頃ストレスが多いと感じている方は、この部分をよく刺激しましょう。
スリムアップをめざす!
- 親指の腹全体をよくもみほぐした後、中央を強くプッシュします。脳を刺激して各部の働きを活性化します。
- 親指の付け根下から、横隔膜ラインの間をよくもみほぐし、甲状腺を刺激します。こうすると新陳代謝が促され、運動エネルギーが対外に放出されます。
- 土踏まずをよくもみほぐします。かかと側から爪先側です。ここには胃の反射区があり、胃の働きを整えます。また、腎臓の反射区もあり、血液から老廃物を取りのぞきます。
- 横隔膜ラインと骨盤ラインの間を全面くまなく刺激します。右足は肝臓、胆のうのポイントなどがあり、脂肪を燃焼させます。また、大腸、小腸のゾーンでもあり、腸にこびりついている汚れを排泄し、スッキリさせることができます。
- 各指の間と、両足くるぶしまわりを刺激します。これはリンパの流れを活性化し、全身のむくみを取るためです。
冷え性・むくみ・生理痛を軽くする!
- 親指の腹中央をプッシュし、脳を刺激してホルモンバランスを整えます。
- 親指の付け根下から、横隔膜ラインをよくもみほぐします。ここは甲状腺のゾーン。代謝に関係する部分で、冷え性に効果的です。
- 土踏まずをよくもみほぐします。かかと側から爪先側です。こうすることで、むくみの原因でもある老廃物の滞りをなくし、毒素を排泄する働きがあります。
- かかと周辺を足底や側面も含めて、全体的によくもみほぐします。ここは腰周辺にあたります。女性、男性の生殖器の反射区も含まれます。とくに女性の冷え性や生理痛は、ここに老廃物が滞る場合が多いため、しっかり刺激をしてください。
- 各指と指の間をつまみながら進んでいき、すべらせながら戻ってきます。
- くるぶしの両脇を刺激します。
とともに、ここはリンパの流れを活性化し、全身のむくみを取りのぞく働きをします。