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血圧が高いときに起こる症状とは?高血圧の原因や対処法を解説

高血圧は健康に良くないというのは周知の事実ですが、なぜ血圧が高いといけないのか、そもそも何が原因で高血圧になるのか、よくわかっていないという方は少なくないでしょう。
高血圧は、放っておくと深刻な合併症を引き起こす原因になることもあるので、正しい知識を学んで、効果的な対処法をチェックしておきましょう。

この記事では、高血圧の概要や主な原因、血圧が高いときの過ごし方について解説します。

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目次

高血圧とはどのような症状?

血圧が高くなると、健康に悪影響を及ぼすと言われています。
なぜ血圧が高いといけないのか、その理由を知る前に、まずは血圧の基礎知識を学んでみましょう。

血圧とは

血圧とは、心臓から送り出される血液が血管を押す圧力のことです。

収縮した心臓から血液が送り出されるときの圧力を「収縮期血圧(上の血圧)」、全身を巡った血液が再び心臓に戻ってくるときにかかる圧力を「拡張期血圧(下の血圧)」といいます。[注1]

[注1]全国健康保険協会(協会けんぽ)「12月 高血圧が気になったら」

高血圧時の症状

高血圧とは、文字通り血圧が高い状態のことです。
日本高血圧学会の高血圧診断基準では、診察室での収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と定義しています。[注2]

なお、自宅で計測する家庭血圧は診察室よりも5mmHg低い基準を用いるのが一般的です。

高血圧そのものに自覚症状はないため、診察室血圧または家庭血圧を測定していない場合、自分ではなかなか高血圧に気付くことができません。

しかし、高血圧を放っておくと、高い血圧によって血管が傷ついたり、動脈硬化を引き起こしたりする原因となります。

動脈硬化が促進されると、心筋梗塞や脳卒中といった重疾患を招くリスクが高くなると言われています。

高血圧はここ十年で減少傾向にありますが、今なお高血圧と診断される成人は少なくありません。

令和元年度における、収縮期血圧が140mmHg以上の方の割合は、男性が29.9%、女性が24.9%に上っています。[注3]

一般的に、高血圧は年齢と比例関係にあると言われますが、若いうちから血圧が高くなる場合もありますので、血圧測定を習慣化すると共に、高血圧を予防する対策を講じることが大切です。

高血圧に関する情報については、「高血圧になるとどうなる?初期症状は?原因と対処法について解説」もご覧ください。

[注2]厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
[注3]厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」p21

高血圧の主な原因

高血圧の主な原因となる食事のイメージ

高血圧、つまり血圧を上昇させる原因には、遺伝的体質に加え、以下のような要素があると言われています。

●塩分の過剰摂取
●ストレス
●アルコールの過剰摂取
●運動不足
●肥満

中でも、日本人にとって問題になりやすいのが塩分の過剰摂取です。

令和元年における食塩摂取量の平均値は10.1gで、ここ10年間で男女ともに減少傾向にあります。

しかし、政府が掲げる「健康日本21(第二次)」における1日あたりの食塩摂取量の目標値は8gで、2g以上多い計算になります。

特に男女とも、他の年代に比べて60代の食塩摂取量が最も多い傾向にあり、加齢と相まって、より高血圧のリスクが高くなっていることが推測されます。[注4]

[注4]厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」p23

血圧が高い時の過ごし方

血圧が高い人が心掛けるべき運動のイメージ

健康診断または自宅での測定で血圧が高いとわかったら、まずは医療機関を受診しましょう。

原因を明確に特定できない場合は、日常生活で血圧をコントロールする必要があります。

ここでは高血圧改善のために実践したい日常生活での取り組みを5つご紹介します。

1.減塩を心がける

前述の通り、日本人は1日あたりの食塩摂取量が多い傾向にあります。
1日あたりの食塩摂取量の目標値は8gですが、年齢別に見てみると目標値は以下のとおりです。[注5]

性別・年齢別に見た日本人の1日あたりの食塩摂取量

ただし、これは健康時の目標値であり、高血圧気味の方は1日あたり6g未満に減塩することが推奨されています。[注6]

単純に食塩の摂取量を減らすのはもちろん、醤油や味噌などの調味料を減塩タイプに替える、薄味を心がけるなど、調理時に工夫を採り入れることが大切です。

[注5]厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2020年版)』策定検討会報告書 ミネラル(多量ミネラル)」p270
[注6]厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2020年版)』策定検討会報告書 ミネラル(多量ミネラル)」p271

2.肥満を予防・解消する

若年層〜中年の男性を中心に、肥満をともなう高血圧の割合が増加しています。
肥満をともなう高血圧は、まず拡張期血圧が高くなってから、収縮期血圧も高くなるのが特徴です。

肥満をともなう高血圧は、血清脂質や血糖、尿酸、肝機能などにも異常を来すケースが多く、メタボリックシンドロームに進行するリスクも高いと言われています。[注2]

そのため、肥満気味の方は食生活の見直しや適度な運動を行い、適正体重まで減量するように努めましょう。

3.定期的な運動を習慣にする

定期的な運動は肥満対策に役立つほか、血管が拡張して弾力が増し、血流の改善を期待できます。

ウォーキングやジョギング、水中運動などの有酸素運動を中心に、1日30分以上、体を動かすことを習慣にするのが理想です。

日頃から運動不足の方が無理をすると体を痛める可能性がありますので、最初は無理のない範囲で行い、徐々に時間を延ばしていくとよいでしょう。

4.野菜・果物を意識的に摂取する

野菜や果物には、体内の塩分を排出する作用のあるカリウムが豊富に含まれているものがあります。

たとえば野菜なら、ほうれん草やにんじん、切り干し大根、アボカド、枝豆など。果物ならバナナやメロン、キウイフルーツ、干し柿などを食べると、カリウムを効率よく摂取できます。

偏食になるのは良くありませんが、3食バランスの良い食事を意識しながら、これらの食材をうまく取り入れれば、高血圧予防に役立ちます。

5.禁煙・節酒を心がける

たばこに含まれるニコチンには強い血管収縮作用があり、血圧の上昇を促します。[注7]
喫煙は発がんリスクもありますので、たばこを吸う習慣のある方は禁煙に努めましょう。

一方、飲酒については適量なら血流を改善する作用を期待できますが、過剰に摂取すると血圧の上昇を招く原因となります。

1回あたりの飲酒量を抑えるのはもちろん、週に1回以上は休肝日を設け、肝臓を休ませることが大切です。

[注7]厚生労働省 e-ヘルスネット「ニコチン」

まとめ

高血圧は症状が現れにくいため、自覚症状がなく血圧が高い状態であることに気付かない可能性があります。

しかし、血圧が高いまま放っておくと動脈硬化が起こりやすくなり、心疾患や脳血管疾患などを引き起こすリスクが高くなります。

高血圧を予防するためには、定期的に血圧を測定しつつ、日常的に食生活の見直しや適度な運動を行うなど、正しい生活習慣を身につけるように心がけましょう。

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