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高血圧になるとどうなる?
初期症状は?原因と対処法について解説

健康診断などで「血圧が高い」と診断された場合、漠然と「塩分を控えなきゃ」「食生活を見直さなければ」といった意識が生まれるかもしれません。一方、高血圧になる原因、具体的にどんな症状が出るのか、詳しく知っているという方はそう多くはないでしょう。

高血圧は放置していると重大な疾患につながるリスクがありますので、健康維持のためにも、高血圧の基礎知識や原因、対処法についてよく理解しておくことが大切です。

この記事では、高血圧の概要や主な原因、高血圧にならないための対処法などについて解説します。

目次

高血圧とは

高血圧とは、血圧が慢性的に高い状態が続く状態のことです。

血圧は、体を動かしたり、寒さを感じたりするだけでも上がりますが、こうした上昇は一時的なもので、本来ならすぐに正常な値に戻ります。

しかし、高血圧の人は安静にしている時でも血圧が正常値よりも上昇する状態が続いており、なかなか正常値に戻りません。

高血圧は喫煙と並び、日本人の生活習慣病による死亡に最も大きく影響する要因とされており、高血圧を防ぐことが健康を維持する鍵になるといわれています。

高血圧の種類

高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の2種類に分類されます。

本態性高血圧は主に生活習慣に起因するもので、塩分の摂りすぎや運動不足、ストレスなどによって引き起こされます。

日本では、20歳以上の男性の約4割、女性の約3割が高血圧[注1]とされていますが、その大部分は本態性高血圧であり、高血圧が生活習慣病といわれる要因のひとつになっています。

一方、二次性高血圧とは、甲状腺や副腎などの病気を起因とする高血圧で、原因となる病気が完治すれば高血圧の症状も治まります。

[注1]厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要」P14

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高血圧の診断

高血圧は、収縮期血圧と拡張期血圧の値をもとに診断されます。

日本高血圧学会の高血圧診断基準によると、成人における血圧値の分類は以下のようになっています。[注2]

成人における血圧値の分類(mmHg)

診察室血圧とは病院で測定する血圧、家庭血圧とは自宅で家庭用血圧器を用いて測定する血圧です。

一般的に、家庭血圧は診察室血圧よりも収縮期・拡張期ともに5mmHgほど低く計測されるため、測定結果にも両者の差が反映されています。

なお、家庭血圧の方が同じ時間・条件で計測しやすいことから、より正確な血圧情報を得やすいとして、診察室血圧よりも優先的に用いられることになっています。

診察室血圧において、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHgの場合は高血圧と診断されますが、血圧の値によってT〜V度の3段階に分かれており、それぞれの疾病リスクを考慮して最適な治療法を判断することになっています。

また、(孤立性)収縮期血圧とは、収縮期血圧だけが特に高い状態のことで、動脈硬化が進んだ高齢者に多い症状とされています。

収縮期血圧が140mmHg未満または拡張期血圧が90mmHg未満の場合は高血圧には該当しませんが、正常高値血圧や高値血圧はいわゆる高血圧予備軍であり、少なからず高血圧を起因とした疾患にかかるリスクがあるため、何らかの方法で改善する必要があります。

[注2]厚生労働省e-ヘルスネット「高血圧」

高血圧になる原因

高血圧になる原因となる食生活のイメージ

高血圧の原因は、大きく分けて以下のように遺伝的要因と環境要因の2つに分類されます。

・遺伝的要因:生まれ持った体質
・環境要因:食生活の乱れをはじめとした生活習慣

環境要因については、具体的に以下のような生活習慣が高血圧を引き起こす要因になるといわれています。

1.食生活の乱れ

人間は食事から必要な栄養素を摂取しているため、食生活の乱れは健康に大きな影響をもたらします。

高血圧の場合、特に塩分の摂りすぎに注意が必要で、体内に塩分が増えるほど血圧が高くなります。

日本人は日頃から塩分の摂取量が多い食生活を送っているため、高血圧の原因の多くは塩分過多といわれています。

2.運動不足

有酸素運動をすると血管が拡張してしなやかになり、血のめぐりが良くなり血圧が下がります。しかし日頃から運動不足の人は血行不良を起こしやすいだけでなく、汗をかいて塩分を排泄する機会が少ないため、高血圧になりやすい傾向にあります。

3.加齢

若いうちは血管にしなやかさがあり、血流にも柔軟に対応できますが、年齢を重ねると血管の柔軟性が失われ、血液の流れにうまく対応できなくなります。

血管を流れる血液が勢いよく内壁にぶつかると、血圧が上昇する原因になります。

4.飲酒

アルコールが体内でアセトアルデヒドに変化し、血中で増加すると、血管が拡張されて一時的に血圧が下降します。

しかし、アセトアルデヒドが酢酸に変化すると、血中濃度が下がり、血管が収縮して血圧が上昇に転じます。

5.喫煙

たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があり、血圧が上昇します。

特にヘビースモーカーの方は血管が常に収縮された状態になるため、高血圧になるリスクが高くなります。

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高血圧になると考えられる影響とリスク

高血圧は、それ自体に目立った自覚症状はありません。

そのため、健康診断などで初めて発覚したという方も多いのですが、自覚症状がないからといって何も対処せずに放置していると、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、また、認知症にもなりやすくなります。

高血圧かも?初期症状はどんなもの?

血圧が高くなると頭痛やめまい、肩こりなどの症状が出ることがあります。

ただ、これらの症状は疲労や風邪でも起こりうるため、自覚症状のみで高血圧か否か判断するのは困難です。

早期発見・早期対処するためにも、定期的に健康診断を受けるか、家庭用の血圧器を購入して、血圧を測定する習慣をつけるようにしましょう

高血圧にならないための対処法

高血圧予防の食事の様子

日本人に多い本態性高血圧は、生活習慣を見直すことで予防・改善することが可能です。

ここでは、高血圧にならないために日常で実践したい対処法を5つご紹介します。

1.塩分の摂取量を減らす

日本高血圧学会がまとめた「高血圧治療ガイドライン2019」では、減塩目標値を6g/日未満に設定しています。[注3]

調理の際は塩分の使用量を控える、調味料は減塩タイプのものを使用するなど、日常の食生活で塩分の摂取量を減らすことを意識しましょう。

[注3]日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」P71

2.ミネラル類をしっかり摂取する

ミネラルの一種であるカリウムなどには、体内の塩分の排泄を助ける作用があります。

ミネラルは野菜や果物、海藻類、豆類、乳製品などさまざまな食材に含まれていますので、三食バランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。

3.運動する

定期的に運動をして、汗を流すと体内の余分な塩分を排泄することができます。

また、運動を定期的に行うと血圧が下がりやすくなりますので、毎日積極的に歩いたり、寝る前にストレッチを行ったりして、少しずつ運動量を増やしていきましょう。

4.ストレスのかからない生活を心がける

人はストレスを受けると交感神経が活発になり、血圧が上昇しやすくなります。

ストレスは慢性化すると自覚症状を感じにくくなりますので、自分なりのストレス発散法を見つけてこまめにストレスを解消することを心がけましょう。

5.禁煙する

たばこは高血圧を引き起こす大きな要因となりますので、禁煙することがおすすめです。

自らの意思で禁煙をするのが難しい場合は、禁煙外来などを利用して専門的な指導・治療を受けましょう。

まとめ

高血圧は目立った初期症状がほとんど見られないため、健康診断を受けたり、家庭で血圧を測定したりしないと、なかなか高血圧に気付くことができません。

統計上、日本人は高血圧になりやすい傾向にありますので、日頃の生活習慣を見直し、高血圧になりにくい体を目指しましょう。

もし高血圧と診断されたら、生活習慣を改善しつつ、医師の指導やアドバイスのもと、適切な治療を受けることをおすすめします。

また、生活習慣病について気になる方は、太陽生命の「がん・重大疾病重点プラン」をぜひチェックしてみてください。

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