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40代男性は要注意!?
これから気を付けたい病気とは?

40代男性は公私ともに多忙になりやすく、病気のリスクが高まる年代といわれています。
場合によっては命に関わる重大な疾病につながる可能性もありますので、どのような病気にかかりやすいか、どうやって予防すればいいのか、正しい知識を持っておくことが大切です。

この記事では、40代男性が気をつけたい病気やその原因、病気に対する備えについて解説します。

40代男性は要注意!?これから気を付けたい病気とは?

40代男性の生活習慣病の要因のイメージ

男性は40代になると、会社では責任のある仕事を任される一方、家庭では子育てや親の介護を担うなど、公私ともに忙しくなりがちです。
ストレスによって心身ともに疲弊していると、体調にも悪影響を及ぼし、さまざまな疾患にかかりやすくなることがあります。
具体的にどのような病気に罹患しやすくなるのか、主な疾患やその原因、予防法をご紹介します。

生活習慣病

生活習慣病とは、食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。

以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。

その厚生労働省が運用するe-ヘルスネットでは、生活習慣病について以下のように述べています。

“生活習慣が原因で起こる疾患の総称。重篤な疾患の要因となる。
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。”
[注1]

40代の死因は、がん・自殺・心疾患・脳血管疾患の順に多いですが、自殺を除く三大死因は生活習慣病が原因で起こるとされています[注2]

生活習慣病を予防するには、日常生活において食生活の見直しや適度な運動、禁煙、減酒、ストレス解消などに取り組む必要があります。
また、すでに高血圧症や脂質異常症、糖尿病といった症状が現れている場合は、適切な医療機関を受診し、しかるべき治療を受けることが大切です。

厚生労働省の統計によると、40代以上は年齢が上がるにつれて生活習慣病にかかるリスクも増加傾向にあります。しかし一方で、疾患の指摘・疑いがあるにもかかわらず、適切な治療を受けている人の割合は決して多いとは言えません。
特に40代の場合、50代以降の約4〜5割以上が適切な治療を受けているのに対し、高血圧症や糖尿病の治療に取り組んでいるのは全体の2割強にとどまっています。[注3]

生活習慣病は正しい治療や服薬指導を受ければ、症状を緩和することが可能ですので、指摘を受けた場合は医療機関できちんと治療を受けるようにしましょう。

[注1]e-ヘルスネット「生活習慣病」
[注2]厚生労働省「人口動態統計年報」 第8表 死因順位1)(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合 平成21年
[注3]厚生労働省「年代別・世代別の課題(その2)」

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、男性の前立腺が肥大する疾患のことです。
肥大した前立腺が尿管を圧迫して締めつけることにより、尿道の狭窄が起こり、膀胱内に尿が残ってしまうことがあります。[注4]

前立腺肥大症の段階ではがん化は起こりませんが、残尿感など不快な症状が現れるため、日常生活に少なからず支障をきたす原因となります。

軽症の場合は、前立腺や尿道の緊張を緩めて症状の軽減を図るα遮断薬や、肥大の原因となる男性ホルモンを抑制する抗男性ホルモン剤などを使った薬物療法がメインとなります。
一方、症状が進行し、薬物療法だけでは対処できなくなった場合は、前立腺を切除する外科的療法が用いられる場合もあります。

前立腺肥大症の原因は未だに解明されていない部分も多いため、予防は簡単なことではありませんが、遺伝のほかに食生活や肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などの要素が関わっている可能性も指摘されています。
そのため、生活習慣病と同様、日頃から規則正しい食生活や運動習慣などを取り入れることが予防につながります

[注4]厚生労働省eJIM「前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia:BPH)に対する補完療法について知っておくべき5つのこと」

悪性新生物

悪性新生物とは、がん並びに肉腫のことで、40代〜80代までの死因順位で1位を占めている疾患です[注2]

がんにはさまざまな種類がありますが、男性の場合は前立腺がん、大腸がん、胃がん、肺がんの順で多い傾向にあります[注5]
がんリスクは喫煙や飲酒、偏った食生活、運動不足、肥満などの要素が重なるほど高くなるので、生活習慣の乱れを自覚しているのなら、根本からの見直しが必要です。

[注5]国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計のまとめ」

40代の男性を襲う不調はホルモンバランスが原因?

40代男性の不調の様子

更年期症状は女性特有の悩みというイメージがありますが、男性も例外ではありません。
男性の更年期障害について、厚生労働省のe-ヘルスネットでは以下のように述べています。

“男性の場合は、30歳以降睾丸ホルモンであるテストステロンの分泌が減少し始め40歳代後半で症状が現れることがありますが、女性の場合と較べ分泌量の変化が緩やかなため老化現象の一部と認識されて気付かれないことが多いと見られます。”
[注6]

男性も女性の更年期と似た症状(さまざまな体調不良や情緒不安定など)が起こりやすくなると言われています。

40代男性で更年期障害の可能性ありと診断された人の割合は全体の1.5%と少ないですが、「更年期障害を疑ったことがある」「周囲から更年期障害ではないかといわれたことがある」「別の病気で受診したら更年期障害の可能性を指摘された」といった例を含めると全体の約10%に上ります。[注7]

男性の場合、女性に比べるとホルモン分泌量の変化が緩やかなぶん、更年期障害と自覚していないケースも多いようです。
原因不明のまま、さまざまな症状に苦しんでいると、それ自体がストレスとなり、場合によってはうつなどの精神的症状を悪化させる要因になることもあります。
もちろん、テストステロン分泌量の変化には個人差があります。しかし、男性は40代になったら病気のリスクが高まり、ホルモンバランスの乱れによる更年期症状に悩まされる可能性もあることを念頭に置いておきましょう。

なお、男性の更年期症状は女性同様、ホルモン剤などを使った薬物治療や漢方療法のほか、予防を目的とした食事療法が行われます。
生活習慣の乱れがテストステロンの分泌量に悪影響を及ぼす可能性もありますので、規則正しい生活を心がけることが大切です。

[注6]e-ヘルスネット「更年期障害」
[注7]厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)p2」(令和4年)

40代男性の病気リスクを知って備えよう

40代男性が、がんや糖尿病といった大きな病気にかかってしまった場合、入院による治療を余儀なくされることがあります。
入院から退院までにかかる日数は、病気や症状の度合いなどによって異なります。統計によると、35歳〜64歳男女の平均在院日数は以下となり、参考にできるでしょう。

悪性新生物と糖尿病の35歳〜64歳男女の平均在院日数

悪性新生物の治療にともなう平均在院日数は35歳〜64歳男女で14.7日間、糖尿病では15.6日間に上ります。[注8]

入院中は当然ながら仕事を休まなければなりません。
しかし、法律では休業中の給与の支給に関する定めはなく、実質無給となる場合がほとんどです。
その代わり、健康保険からは傷病手当金が支給されます。また、場合によっては高額療養費制度を利用することも可能です。

利用できる制度と給付内容、注意点

傷病手当金で給付される金額は平均標準報酬月額を30日で割った分の2/3相当なので、平常時よりも収入は減少してしまいます。[注9]
また、傷病手当金が支給されるのは、傷病によって連続して3日間以上休んだ後、4日目以降となるため、仮に13日間休業した場合、支給対象となるのは10日間分のみとなります。[注9]
さらに入院期間中は通常の生活費に加え、健康保険でカバーできない差額ベッド代や身の回りの生活用品などにお金がかかります。
治療費に関しては手術代も含めて健康保険の適用対象となりますが、陽子線治療などの先進医療は保険の対象外となるので、実費で負担しなければなりません。
また、自営業が加入する国民健康保険には傷病手当金の制度はありませんので、入院など治療で休業しても、手当等の支給を受けることはできません。

ひと月の医療費が一定の上限額を超えた分に関しては、高額療養費制度を利用することで超過分の給付を受けることが可能ですが、入院時の食事負担や差額ベッド代は対象外となります。
また、高額療養費制度の自己負担上限額は加入者の年齢や所得によって決められているため、人によっては十分な還付を受けられない可能性もあります。[注10]
状況によっては多額の入院費を自己負担で支払わなければならないため、貯蓄額が心許ないとお金の工面に悩まされる可能性があります。
また、がんや糖尿病などの疾患によって復職できなかった場合、長期間にわたって収入が得られなくなるリスクもあります。

病気に罹患した際、どのくらい入院するのか、どんな治療を行うのかを事前に予測することはできないので、あらかじめ万一の場合に備えておくことが大切です

[注8]厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況(3 退院患者の平均在院日数等)」
[注9]全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
[注10]厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

※社会保障に関する記載は、2022年7月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、所轄の年金事務所等にご確認ください。

まとめ

40代男性は公私ともに忙しい人も多く、病気のリスクが高まる傾向にあります。
病気療養のために入院した場合、入院費や手術代がかかるのに加え、休業中の収入が減少してしまうため、お金の工面に悩まされがちです。
家族の生活が困窮してしまうリスクもゼロではありませんので、万一の場合に備え、早めに医療保険に加入しておくことをおすすめします。

「スマ保険」は、40代の男性が発症しやすい病気に備えることができる保険の一つです。
がんを始めとする大きな病気に備えられる「がん・重大疾病予防保険」のほか、就業不能状態の保障を確保できる「働けなくなったときの保険」など、ニーズに合ったプランも展開されているので、将来の健康リスクが不安な人はぜひ加入をご検討ください。

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