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基礎知識

妊活とは具体的に何をするの?
女性も男性も知っておきたい基礎知識

子どもを望む夫婦が取り組む「妊活」という言葉は世間に広く浸透しています。しかし、妊活とはどのような活動を行うのか、具体的なことはよくわからないという人も少なくありません。

この記事では、「そもそも妊活とは」を説明するとともに、具体的な活動内容、不妊症と不妊治療などについて解説します。

そもそも妊活とは

妊活とは「妊娠活動」の略称で、その名の通り、妊娠を望む男女が行うさまざまな準備の総称です。

また、妊活とは排卵日を予測したり、タイミングを合わせたりといった行動だけを指すわけではありません。妊娠について夫婦で話し合ったり、妊娠に関する正しい知識を学んだりすることも妊活のひとつに含まれます。

こうした活動は以前から行われており、現在までにメディアなどを通じて、「妊活」という言葉が浸透してきました。

妊活が広まった背景

妊活という言葉や概念が広く普及した背景には、近年顕著になっている晩婚化と不妊の問題があります。

平均初婚年齢と第一子出生時の母の平均年齢の比較

上記の表でまとめたように、内閣府の調べによると、2019年の平均初婚年齢は男性で31.2歳、女性で29.6歳となっており、2000年に比べて男性は2.4歳、女性は2.6歳も上昇しています。[注1]

第1子出生時の母の平均年齢についても、2000年では28.0歳だったのが、2019年では30.7歳と、2.7歳の上昇となっています。

一般的に、女性は20代後半から徐々に妊娠する力が弱くなり、35歳以降になるとさらに妊娠しにくくなると言われています。[注2]

晩婚化にともなう出産年齢の上昇は不妊に悩む男女の増加につながっており、いざ妊娠を希望したときになかなか子どもができないというケースも珍しくありません。

妊娠は年齢だけでなく、普段の生活や母胎の栄養状況などの影響を受けやすいため、子どもを望んだときにスムーズに妊娠できるよう、日頃から妊活で準備を整えておくことが推奨されています。

[注1]内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」
[注2]東京都福祉保健局「不妊症Q&A」

妊活とは具体的に何をするの?

妊活中の夫婦のイメージ

妊活とは、妊娠するための準備全般を指す言葉です。したがって、妊活の取り組みも多種多様に存在します。

ここでは、妊活とは具体的に何をするのか、4つのポイントに分けて紹介します。

生活習慣の見直し

妊娠に向けたからだづくりのためには、規則正しい生活習慣が欠かせません。

1日3食、栄養バランスの取れた食生活を送る、適度な運動を習慣にする、質の良い睡眠を取るなど、男女ともに日頃から健康的な生活を心がけることが大切です。

また、喫煙は本人の健康を害するのはもちろん、不妊や早産、発育障害などの原因につながります。[注3]

加えて、飲酒も妊娠前は適量に留め、妊娠後は禁酒することを意識しましょう。

からだの健康に加え、過度なストレスをためない工夫をするのも健やかなからだづくりに役立ちます

[注3]厚生労働省「健やかなからだづくりと食生活Book」

葉酸の摂取

葉酸は胎児の二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発生リスクの低減に欠かせない栄養素とされています。[注4]

神経管の形成に重要な時期は、受胎後およそ28日とされていますので、妊娠初期の女性はもちろん、妊娠を望んでいる女性も必要量の葉酸を摂取することが推奨されています。

葉酸は1日あたり400μgを摂取するのがベストとされていますので、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜や、枝豆、納豆、いちごなど、葉酸を豊富に含む食材を意識的に摂取しましょう。

足りない分はサプリメントで補うのもありですが、葉酸を摂り過ぎると発がんリスクが上昇する懸念を指摘した研究もあり[注5]、現段階では、サプリによる過剰摂取に注意が必要です。

[注4]厚生労働省「健やかなからだづくりと食生活Book」
[注5]厚生労働省eJIM「葉酸塩」

基礎体温の計測・記録とタイミング法

妊娠は精子と卵子の受精によって起こりますので、まずはおおよその排卵日を予測する必要があります。

女性の月経周期は、月経開始から排卵までの約14日間と、排卵後の約14日間の2つに区分されます。[注6]

前者は体温が低い状態が、後者は体温が高い状態が続きやすいため、基礎体温を計測していればおおよその排卵日を予測することが可能です。

基礎体温とは、起床後すぐに測る体温のことで、基礎体温測定用の婦人体温計を使用して計測します。

基礎体温はグラフなどに書き込むか、あるいは基礎体温用アプリで入力すると、月経周期の状態を把握しやすくなります。

排卵日の予測がついたら、排卵予定日前後に性交のタイミングを合わせると、受精する確率がアップします。

[注6]東京都福祉保健局「妊娠のために知っておきたいこと」

ブライダルチェックの実施

ブライダルチェックとは、妊娠に影響する病気の有無を確認する検査のことです。

産婦人科などで受けることが可能で、内容はクリニックによって異なりますが、女性の場合は血液検査や性感染症検査、女性ホルモン分泌検査、超音波検査のほか、子宮内診などが行われます。

男性の場合は、血液検査や精液検査、性感染症検査などを実施し、将来的に不妊となる原因がないかどうかチェックします。

不妊症と不妊治療

生活習慣の見直しや基礎体温の計測・記録、タイミング法などを行ってもなかなか妊娠できない場合は、専門の医療機関で不妊治療を受けることも検討しましょう。

不妊とは、男女が普通に性交渉を持っているのに、1年間妊娠しない状態のことです。[注7]

現代の日本では不妊症に悩み、治療に臨む人が増えてきており、2017年には全新生児のおよそ6%を占める約56,000人の新生児が体外受精によって誕生しています。[注8]

不妊治療にはさまざまな方法があり、不妊の原因に合わせて適切な治療法を行うのが一般的です。

主な治療法には以下のようなものがあります。[注9]

主な不妊治療法

これまで、不妊治療には健康保険が適用されず、治療のすべては実費負担となっていましたが、令和4年4月より、関係学会のガイドラインなどで有効性・安全性が確認された不妊治療については保険が適用されるようになりました。[注10]

なお、採卵・採精や受精卵・胚培養などをともなう生殖補助医療については、保険が適用されるものと、先進医療として保険と併用できるものの2パターンがあります。[注10]

健康保険が適用された場合、窓口での負担額は治療費の3割に抑えられるため、高額になりやすい不妊治療のコストを大幅に低減できます。

ただし、保険適用される不妊治療には年齢および回数の要件があります。

治療開始時において女性の年齢が43歳未満であることが大前提で、40歳未満の女性は1子ごとに通算6回まで、40歳〜43歳未満は1子ごとに通算3回までの治療が保険適用となります。[注10]

[注7]東京都福祉保健局「不妊症についての基礎知識(男性不妊を含む)」
[注8]厚生労働省「不妊治療の実態に関する調査研究最終報告書」p2
[注9]東京都福祉保健局「不妊治療を受ける」
[注10]厚生労働省「令和4年4月から、不妊治療が保険適用されます。」

妊娠前から健康なからだづくりをしよう!

健康なからだづくりのイメージ

妊娠に適した健康なからだづくりの基本は、正しい食生活と定期的な運動習慣がメインとなります。

食事はご飯やパンといった主食をメインに、しっかりとエネルギーを摂取しつつ、不足しがちなビタミンやミネラルを副菜で十分に補います。

主菜は肉や魚、卵、大豆などから必要なたんぱく質を摂取することを意識しましょう。

また、日本人女性はカルシウム摂取量が不足しやすい傾向にあるため、乳製品や緑黄色野菜、豆類などから積極的にカルシウムの補給を行いましょう。[注11]

一方、妊娠中の身体活動・運動は早産や低出生体重児のリスクの増加を防ぐ役割があるといわれています。[注12]

肥満になると妊娠中のトラブル発生リスクが高くなりますので、日頃からウォーキングやジョギング、ヨガなどの運動を行い、からだを動かすことを心がけましょう。

その他生活習慣については、妊娠前から禁煙・禁酒(妊娠前は節酒でも可)に努め、からだに余計な負担をかけないことが大切です。

妊活中〜妊娠期間中に意識して摂りたい食材やレシピは「妊娠期間中におすすめの食事は?取り入れたい/避けたい食材も解説」を参考にしてください。

[注11]厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から、健康なからだづくりを〜」
[注12]厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から、健康なからだづくりを〜解説要領」

まとめ

妊活とはひとつの方法を指すのではありません。具体的には、生活習慣の見直しや基礎体温の計測、タイミング法など複数の方法があります。

また、妊活とは妊娠を望む男女が一緒に取り組まなければならないものです。女性だけでなく、男性も必要な検査や治療、生活習慣の改善などを積極的に進めましょう。

妊活の有無にかかわらず、妊娠前には健康なからだづくりが大切ですが、健康リスクをゼロにするのは難しいのが実状です。

また、妊娠・出産そのものにもリスクがともないますので、万一の場合の備えも考えておくと安心です。

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