太陽生命

基礎知識

つらい肩こり、腰痛。
実は男女で傾向があった!改善方法は?

スマホ、パソコンの使用や運動不足などの影響により、つらい肩こりや腰痛に悩まされている方は決して少なくありません。
ただの肩こり、腰痛と思って放置していると、症状が悪化し、日常生活に支障をきたす原因となりますので、正しい方法で解消することが大切です。

この記事では、現代人の肩こり、腰痛の傾向や原因、解消法について解説します。

女性は肩こり、男性は腰痛が多い傾向

肩こり、腰痛は性別に関係なく起こる症状ですが、統計で見ると男女で傾向が異なることがわかります。

厚生労働省が実施した「2019年 国民生活基礎調査」における「自覚症状の状況」によると、以下のようになっています。[注1]

自覚症状の状況

男性では「腰痛」を自覚している方がもっとも多く、次いで「肩こり」、「鼻がつまる・鼻汁が出る」と続いています。
一方、女性の場合は「肩こり」を訴える方がもっとも多く、次いで「腰痛」「手足の関節が痛む」と続く結果になっています。

なお、人口千人当たりの割合では肩こり・腰痛ともに女性の方が圧倒的に多く、男性よりも女性の方が肩こり・腰痛に悩まされやすい傾向にあるようです

近年はスマホやパソコンの長時間使用によって肩こり・腰痛を訴える方が増えていますが、現在はさらにテレワークやリモートワークの増加にともなう運動不足も肩こり・腰痛を悪化させる要因になっていると考えられています。

[注1]厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」P17

肩こりや腰痛の原因は「重力」にあった!?

腰痛のイメージ

肩こり・腰痛の原因が運動不足や悪い姿勢にあることは広く知られていますが、根本的な要因はどこにあるのでしょうか。そのヒントともいえるのが「抗重力筋」です。

“抗重力筋は地球の重力に対して姿勢を保つために働く筋肉のことです。下腿・大腿・腹部・胸部・首の各部前後に張り巡らされ、前後互いに伸び縮みをしながらバランスを取っています。
立っているだけ・座っているだけでも常に抗重力筋のどれかが緊張しています。最も疲労しやすく収縮したままになりやすい筋肉といえます。
本来抗重力筋が正しい状態にあると、抗重力筋全体がバランスを取り合い身体の歪みが修正されます。日常生活で身体に癖がつくと、抗重力筋は癖のある悪い姿勢を記憶して身体の歪みを作り、慢性の肩こりや腰痛を引き起こします。
例えば座り仕事・立ち仕事のように一定の姿勢を続けることは抗重力筋の疲労や収縮に繋がり、抗重力筋同士のバランスが乱れます。このような場合は、ストレッチングなどの運動で緊張を積極的にほぐす必要があります。
また座り仕事を長期間続け歩かないことは下半身の抗重力筋を退化させ、抗重力筋同士のバランスを崩して姿勢が崩れます。予防のためにウォーキングなどの適度な運動をすることが望ましいと考えられます。”
[注2]

「肩こり・腰痛の原因は運動不足や悪い姿勢である」、これは抗重力筋の退化や緊張のことを指していたといえます。

[注2]「抗重力筋」e-ヘルスネット 厚生労働省

肩こり・腰痛の原因には女性特有のパターンもある

抗重力筋の緊張・退化による肩こり・腰痛は誰にでも起こりますが、なかには女性ならではのパターンもあり、妊娠もその一例です。

妊娠中の運動不足を解消するために「マタニティーエクササイズ」を行うことが推奨されています。マタニティーエクササイズとは、日常生活で安静な行動を取ることを求められて運動不足になりがちな妊婦のために、考えだされた様々なエクササイズのことです。

“効果としては下記のようなことが挙げられます。
・妊婦としての身体的な不自由や出産への不安からくるストレスの解消
・出産に必要な体力の維持や持久力の獲得
・急激な体重増加によって産道が狭くなったり妊娠中毒症になったりすることの予防
・胎児の成長に伴う血行不良・便秘・腰痛・肩こりなど妊娠期特有の不快感の緩和や解消”
[注3]

妊娠にともなう肩こり・腰痛は、出産を機に解消されるケースもありますが、慣れない子育てへのストレスや、赤ちゃんを長時間抱っこすることによる体への負担、産後の体型の変化にともなう骨格の歪みなどから、出産後も肩こり・腰痛に悩まされる方もいるようです

[注3]「マタニティーエクササイズ」e-ヘルスネット 厚生労働省

肩こりを解消するための方法

肩こりは頭痛やめまい、不眠などの原因となるので、放置せずに対処することが大切です。

頭は体のおよそ10%の重さがあり、それを支えている首には大きな負担がかかっています。
頭を傾けたときはおよそ3倍にもなると考えられており、パソコンなどで頭を前に傾けた状態を長時間続けていると首にかかる負担は相当なものになるでしょう。

肩甲骨と肩に発生するこりの解消法について、健康保険組合連合会の「すこやか健保(2020年8月号)」では、以下のように解説しています。[注4]

“「肩甲骨は、首を支える土台としての重要な役割を担っているため、肩こりの改善のためには、肩甲骨を動かすことが大切です。強く揉んではいけません。」“

揉むのではなく「動かす」ことで、こりの解消が見込めることがわかります。肩から腕を大きく回すなどの運動をするとよいでしょう。

[注4]健康保険組合連合会「すこやか健保」2020年8月号

肩こり解消に有効な肩甲骨はがしの方法

肩甲骨を意識的に動かす運動を「肩甲骨はがし」といいます。

肩甲骨はがしは座った状態で行える運動ですので、デスクワークやテレワークを行うときは、定期的に肩甲骨はがしを行い、筋膜の癒着を予防しましょう。

健康保険組合連合会の同資料で紹介されている肩甲骨はがしのやり方は以下の通りです。[注4]

1.両肘を曲げて肩より上に上げる。 2.肩甲骨を背中の中央に寄せるように、5秒かけて息を吐きながら肘をゆっくり後ろに引く。このとき、肘の位置はできるだけ下げない。 3.肩甲骨を寄せたまま肘を下げ、腕をおろす。

1〜3までの動作を3回で1セットとし、1日2回、朝と夜に行うのがおすすめです。
2の動作では肘の位置をできるだけ下げずに行うと、より効果的です。

肩を強くもむのはNG

肩をもんだり、叩いたりすると、一時的にコリが解消され、身体が楽になったように感じます。
しかし、外から筋肉に強い刺激を与えると、かえって筋肉が収縮したり、筋繊維を傷付けたりする原因になることがあります。

また、マッサージによるもみほぐしは、抗重力筋の緊張や退化、筋膜の癒着といった根本的な原因の解消にはつながりにくく、すぐに肩こりが復活してしまいます。

肩こりを根本的に解消したいのなら、身体(肩甲骨)を動かすことが効果的な方法であることを覚えておきましょう。

腰痛を解消するための方法

重量物の取り扱いによる腰痛のイメージ

腰痛の発生パターンは複数あり、それぞれ解消方法が異なります。
ここでは、腰痛の解消方法を発生パターンごとにご紹介します。

1.重量物の取り扱いによる腰痛の解消法

重い物を持ち上げたり、運んだりすると、腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因となります。[注5]

荷物はできるだけ小分け&軽量化することを心がけつつ、重量物はなるべく体を近付けて持つ、重心を低くする姿勢を保つなどの配慮を行いましょう。

[注5]厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針及び解説」P2

2.立ち仕事・デスクワークによる腰痛の解消法

立ちっぱなし、座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢を取り続けていると、筋膜が癒着して腰痛が悪化する要因となります。

以下では、オフィスでできるストレッチのやり方を3つご紹介します。[注6]

オフィスでできるストレッチのやり方

長時間同じ姿勢を取る際は、定期的にストレッチを行い、凝り固まった筋肉をほぐすことが大切です。

[注6]厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針及び解説」

まとめ

長時間の悪い姿勢や運動不足によって起こる肩こり・腰痛は、現代病の1つといわれています。
特にデスクワークやテレワークなどで長時間同じ姿勢を取り続ける方や、運動量が不足しがちな方は肩こり・腰痛に悩まされやすい傾向にあります。

肩こりや腰痛はマッサージをしても根本的な解決にはつながりにくく、むしろ症状を悪化させる原因となることがありますので、適度な運動とストレッチを行い、凝り固まった筋肉をほぐす習慣をつけましょう。

現代人の肩こり、腰痛の傾向や原因、解消法について解説しましたが、生きている以上、老若男女の誰しもが病気やケガのリスクがあります。もしもケガをしたり病気になってしまったりしても、まずは公的医療保険や高額療養費制度を活用することで、家計への負担を軽減できます。

公的医療保険だけではカバーしきれない部分の備えは、預貯金もしくは民間の医療保険の活用を検討しましょう

スマ保険の入院一時金保険なら、月々500円からの保険料で加入することも可能ですので、少ない負担で病気・ケガに備えたい人はぜひご検討ください。

「保険の基礎知識」の記事一覧へ戻る

他のカテゴリーを見る

お手頃な保険料から備えられる
医療保険はコチラ