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老後資金はいくらあれば安心?老後の生活のための必要額の目安や備え方を紹介

日本では平均寿命の伸長もあり、老後の生活期間も長くなっています。そのため、老後資金を計画的に準備しておく必要があります。

今回は老後資金がいくら必要なのか、準備の方法などについて解説します。

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老後資金はいくら必要?目安はどれくらい?

厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によれば、日本人男女の90歳、95歳までの生存率は以下のようになっています。[注1]

90歳 95歳
男性 27.5% 10.1%
女性 52.0% 27.1%

この表からわかるとおり、男女ともに90歳以上まで生きる人が多くいます。特に女性の場合は約2人に1人が90歳まで、約5人に1人が95歳まで生きる可能性があるといえます。

このように「人生100年時代」と呼べる現代で重要になるのが、老後資金の準備です。

実際、金融庁の発表から、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の場合、以下のとおり毎月約5万5,000円の赤字が発生していることがわかります。[注2]

● 209,198円(収入)-263,718円(支出)=-54,520円

平均寿命でみると男性で81.47年、女性で87.57年となっており[注3]、65歳の定年退職後20年生きるとしたら次のとおり1,308万4,800円の赤字が発生する可能性があります
● 54,520円(毎月の赤字)×12カ月×20年=1,308万4,800円

さらに30年生きるとしたら1,962万7,200円と約2,000万円近い赤字が発生します。そのため、公的年金以外に必要な老後資金は、約2,000万円が目安になるといえるでしょう。

[注1]厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」
[注2]金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」
[注3]厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」

世帯別に必要な老後資金はいくら?

実際に必要になってくる老後資金はいくらなのでしょうか。

老後資金の必要額の目安

老後生活の基礎となっているのが公的年金ですが、年金額は単身世帯か共働きかなどで異なります。老後の夫婦2人の場合と独身・一人暮らしの場合とで比較してみましょう。

老後の夫婦2人の場合

老後を夫婦2人で暮らしている世帯の収入と支出は次のとおりです。[注4]

● 収入:21万6,519円(公的年金額)
● 消費支出:22万4,436円

収入から消費支出を引くと−7,917円になり、夫婦で老後を過ごす場合、公的年金を含めて毎月約23万円が必要額の目安といえます。

独身・一人暮らしの場合

独身・一人暮らしの場合の収入と支出は次のとおりです。[注5]

● 収入:12万470円(公的年金額)
● 消費支出:13万2,476円

収入から消費支出を引くと−1万2,006円になり、老後を独身・一人暮らしで過ごす場合は公的年金を含め約14万円を目安としておきましょう。

老後夫婦2人で暮らしている世帯、独身・一人暮らし世帯ともに収入における公的年金の割合が高く、それぞれ91.5%と89.0%となっています。このように老後は公的年金に依存しがちですので、他の方法で収入を増やす方法を考えましょう。例えば、資産運用や保険などが収入を増やす方法として挙げられます。

また、公益財団法人 生命保険文化センターによれば、夫婦2人の場合、ゆとりある生活の実現のためには37万9,000円が必要とされていることから、公的年金以外でも老後資金を準備しておくことが求められます。[注6]

[注4]家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
[注5]家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
[注6]生命保険文化センター

老後に必要な資金をシミュレーション

老後に必要な資金は自分でシミュレーションすることが可能です。シミュレーションをする際は総務省の「家計調査年報(家計収支編)」を参考にしてみましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)に必要な生活費は約23万円、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)に必要な生活費は約14万円となっています。それぞれで仮に90歳、95歳まで生きたら以下くらいの老後資金が必要になるでしょう。

90歳 95歳
65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯) 約6,900万円
(約23万円×12カ月×25年)
約8,280万円
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯) 約4,2000万円
(約14万円×12カ月×25年)
約5,040万円
(約14万円×12カ月×30年)

[注8]総務省「家計調査年報(家計収支編)」

老後資金はどうやって準備する?

ゆとりある生活を送るためにも老後資金を準備しておくことが大切です。では老後資金を貯める方法にはどういったものがあるのでしょうか。

保険の活用

終身保険は万が一の際に保険金が受け取れるだけでなく、多くの場合、解約した際に解約返戻金を受け取ることができます。そのため、もしもの際の備えをしつつ老後の資金準備が可能です。

個人年金保険

個人年金保険では契約時に定めた年齢から年金が受け取れます。年金が受け取れる期間は商品によって異なり、一括で受け取れる商品や一定期間受け取れる商品、一生涯受け取れる商品があります。

資産形成

資産形成にはいくつか種類があり、税制面でのメリットなどがあります。低金利の現在では、個人でも資産を増やす取り組みが必要でしょう。

投資信託

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金をもとに、運用会社が国内外の株式や債券などを購入し運用する商品です。
投資信託を購入することで、少額から投資できる、投資のプロに運用を任せられるといった特長があります。

つみたてNISA

つみたてNISAは少額からでも運用可能な投資です。つみたてNISAは年間最大40万円の非課税投資枠が設けられていることや投資によって発生した利益は20年間非課税になるといったことが特長です。

iDeCo

iDeCoは個人型確定拠出年金とも呼ばれているとおり、自身で掛金を拠出し運用益と掛金を年金として受け取ることができます。

掛金が全額所得控除になるのに加えて、運用益が非課税になる、受け取るときも控除を受けられるなどの税制上の特長があります。

まとめ

老後の生活は公的年金だけに頼っていては、毎月赤字が発生してしまう可能性があります。
支出でみると、夫婦2人で老後を過ごすには公的年金を含む毎月約23万円が必要であり、もし95歳まで生きる場合は公的年金以外に約2,000万円の資金が必要です。また、独身・一人で暮らすには毎月約14万円が必要となります。

このような老後資金をいくら、いつから準備すればいいか不安、疑問に思っている方もいるかもしれません。老後資金の準備は早ければ早いほど計画的に準備できるため、現役時代から積極的に取り組むことを検討しましょう。

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