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めまいの原因について解説!男女別、年代別に症状は違う?

日常生活でめまいの症状に悩まされている人は、男女ともに少なくありません。
症状によっては日常生活に支障をきたすこともありますので、原因と正しい対処法を知っておきましょう。

この記事では、めまいの概要や主な原因、男女別・年代別の症状の違い、適切な対処法について解説します。

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そもそもめまいとは?

めまいの症状や頻度には個人差があり、たまにめまいがするだけという人もいれば、1ヵ月以上にわたってめまいの症状が続く人もいます。

厚生労働科学研究費補助金を受けた厚生労働省研究班が運営するヘルスケアラボでは、めまいの症状を以下のとおり解説しています。

“めまいとは、景色がぐるぐる回る、体がふらつく、頭がふらふら、意識を失いそうになる感じです。“
[注1]

疲労やストレスなどが原因であれば、時間の経過と共に治まるケースがほとんどですが、めまいが長引く場合や、症状が悪化していく場合は何らかの病気にかかっているおそれがあります。
そのため、頻繁にめまいを感じるときは「たかがめまい」と軽視せず、しかるべき医療機関を受診し、診断・治療してもらうことが大切です。

[注1]ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

めまいの原因

めまいが起こる原因はひとつではなく、複数存在します。
原因によって対処法も異なりますので、めまいに悩んでいる場合は、まず自分のめまいの原因を把握するところから始めましょう。

原因1. 薬の副作用

めまいの原因として、以下のように服用している薬の副作用が挙げられます。副作用としてめまいを引き起こす可能性がある薬として、ヘルスケアラボでは以下を挙げています。

“抗アレルギー薬やマイナートランキライザーや高血圧の治療薬の副作用で起こることがあります。“
[注2]
※マイナートランキライザーとは、抗不安薬(精神安定剤)や睡眠導入剤に分類される薬です。

医療用医薬品以外にも、市販の風邪薬などの副作用でめまいを起こすケースもあるようです。

[注2]ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

原因2. 病気

めまいの原因のうち、特に気をつけなければならないのが病気です。
ヘルスケアラボはめまいを引き起こす可能性がある病気の代表例として、5つの病気を挙げています。

“めまい・耳鳴りを起こすのは耳鼻科疾患、中枢性の病気として脳血管障害、脳腫瘍、小脳出血があります。”
[注3]

耳鼻科疾患のうち、メニエール病や突発性難聴がめまいの原因とされています。

“急に起こっためまいで耳の症状を伴う場合はメニエール病や突発性難聴が考えられます。“
[注3]

めまいを伴う病気のなかでも危険性が高いとされているのが、脳血管障害です。脳血管障害の場合、めまい以外にも症状が発現します。

“救急で受診が必要なのは脳小脳出血など含む脳血管障害です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴などがあり、突然、めまいや頭痛、神経症状(ろれつが回らない、呑み込みが悪い、物が二重に見える、半身のしびれ、脱力、口の周囲のしびれ)が出現します。“
[注3]

高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣などがあり、かつ、めまいや上記のような症状が出た場合は脳血管障害の疑いがあるため、救急での受診が必要です。

[注3]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

原因3. 加齢

加齢もめまいの原因として考えられています。

“高齢者では、聴力・視力の低下、手足のしびれ、足の筋力低下、立ち眩みなどをめまいと言うことがあります。“
[注4]

めまいの原因が筋力の低下なのか、聴力の低下なのか、脳血管障害なのかを判断するためにも、病院で診察を受けることが大切です。

[注4]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

原因4. 更年期

女性の場合、更年期を境にめまいを感じるケースがあります。

“症状発現直前の誘因は、精神的ストレスや睡眠不足がほとんどです。一番多いのは、検査をしても特に病気の異常がない「めまい症」と名付けた自律神経の不調です。更年期障害の症状のひとつです。“
[注5]

更年期を迎えたタイミングでめまいを感じる場合は、めまい症の可能性も疑いましょう。

[注5]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

原因5. ストレス

めまいを引き起こすメニエール病は、ストレスが原因で罹患しやすくなると考えられています。メニエール病を罹患する人の特徴として、ヘルスケアラボでは以下のとおり解説しています。

“性差はなく、男性では働き盛り、女性は更年期の社会的、家庭的、肉体的にストレスの多い年代に多く、小児や65歳以上に少ない疾患です。“
[注6]

[注6]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

原因6. 睡眠不足

厚生労働省e-ヘルスネットでは、不眠が続くときに生じる不調のひとつとして、めまいを挙げています。

“不眠が続くと日中にさまざまな不調が出現するようになります。倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。“
[注7]

[注7]三島 和夫, 「不眠症」e-ヘルスネット 厚生労働省

めまいの症状とは?男女別・年齢別の違い

めまいを起こしている男性

めまいは誰にでも起こりうるものですが、一部の原因には性差と年齢差があります。

めまいの原因と性差、年齢差

ここでは男女差、年齢差のあるめまいの症状について解説します。

メニエール病

メニエール病の症状として以下が挙げられます。

“メニエール病は突然、激しい回転性(ぐるぐる)めまいの発作で、吐き気や嘔吐、発症した側の耳の詰まった感じや「耳がキーンと鳴る」耳鳴りを伴います。“
[注8]

このようにめまい以外にも吐き気や嘔吐を伴っているのが突発性難聴とは異なる特徴です。

また、症状が続く期間は人によって異なるケースがあります。

“持続は1〜6時間で、まれに24時間です。“
[注8]

[注8]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

突発性難聴

突発性難聴は急に耳が聞こえづらくなる病気です。突発性難聴は耳が聞こえづらくなる以外にもめまいを伴う場合があります。

“突発性難聴は50〜60歳代が多く、耳鳴りとともに急激に難聴になります。難聴がめまいより主たる症状で、回転性(ぐるぐる)めまいは初期だけです。“
[注9]

[注9]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

良性発作性頭位性めまい

良性発作性頭位性めまいは、耳鳴りや難聴を伴わずにめまいを引き起こす病気です。

“耳鳴りや難聴はなく、突然に回転性(ぐるぐる)めまいが起こるのに良性発作性頭位性めまいがあります。めまいの特徴は、ベッドで寝返りをうつ、何かを拾おうとして腰をかがめたときなど、頭が動いたときに引き起こされます。“

メニエール病の持続期間が1〜6時間が一般的なのに対して、良性発作性頭位性めまいの持続期間は数日〜数週間にわたって繰り返しめまい発作が起きる場合もあります。

“めまい発作は、1度につき数秒から数分で治まり、数日から数週間の間に何度も発作が起きることがあり、発作はその後徐々に自然になくなっていきます。“
[注10]

良性発作性頭位性めまいの原因として、内耳から剥がれた「耳石」が平衡感覚を司る三半規管に入り込んでしまうことが考えられています。

“めまいが起こる原因は、良性発作性頭位めまい症の場合、三半規管の中にたまった「耳石」(カルシウムの小さな粒)です。内耳には、三半規管の根元あたりに重力や体の方向を感知する「耳石器」という器官があります。この中には、耳石と呼ばれる石のようなものがあり、それが剥がれて、三半規管に入り込むことで発症します。“
[注11]

[注10]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修
[注11] NHK健康「耳石が起こすめまい『良性発作性頭位めまい症』とは?特徴・症状・原因について」

めまいの対処法を知っておこう!

病院で薬を処方してもらっているイメージ

めまいは原因に合わせて適切に対処をすれば、症状を緩和させることが可能です。
ここでは、めまいの対処方法を3つご紹介します。

めまいの原因と対処法、具体的な治療法

薬を使用する

めまいの症状で医療機関を受診した場合、以下のような治療法が採用されます。

“薬は、鎮暈剤(めまい症状を改善する薬)、ビタミンB12、循環改善剤、利尿剤などで様子をみます。耳鳴りに対しては、軽度の精神安定剤を使用することもあります。“

鎮暈剤(ちんうんざい)は、乗物酔いの吐き気止めとしても用いられる薬です。[注12]

[注12]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

ストレスを解消する

メニエール病の罹患を高める可能性があるストレスへの対処として、リラックス療法が用いられるケースがあります。

“温泉に行ったり、マッサージを受けたり、リラックス療法は、効果があります。“
[注13]

ただ、前述の通り、めまいは病気が原因であるケースもあるため、安易な自己判断は禁物です。まずは医療機関で適切な検査を受け、体に異常があるかないかを専門家にしっかり判断してもらいましょう。医療機関を受診し体に異常がないとわかったことによって、安心してストレス性めまいが改善する場合もあるようです。


“よく検査したうえで、脳や内耳に異常がなく、自律神経的なもので「治りますよ」と説明されることによって、安心して改善するというケースが多いです。“
[注13]

[注13]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修

更年期障害の治療を受ける

更年期障害によるめまいの治療には女性ホルモン治療や漢方薬を服用します。

“ほかの更年期の症状がある場合は、女性ホルモンや漢方薬など更年期障害の治療をすることで改善することがあります。“
[注15]

更年期障害では、多くの場合、めまい以外にのぼせや顔のほてり、動悸や息切れといった不調のほか、イライラや不安感、うつ、不眠などの精神的症状を引き起こします。[注16]

めまい同様、これらの症状も日常生活に大きな支障を来す原因となりますので、婦人科を受診して適切な治療を受けたほうがよいでしょう。

[注15]厚生労働省 ヘルスケアラボ「めまい・耳鳴り」鈴木 眞理監修
[注16]厚生労働省e-ヘルスネット「更年期障害」

まとめ

めまいの原因は複数あり、年齢によるものもあれば、病気やストレス、睡眠不足によるものもあります。
なかには医療機関で適切な検査・治療を受けないと改善しないものもありますが、ストレスや睡眠不足によるめまいは、生活習慣を見直すことである程度症状を改善させることが可能です。
めまいは種類によって対処法が異なります。めまいの原因や症状に合わせて、適切に対応しましょう。

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