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薬を飲むべき最適なタイミングは食前?食後?

病気になったら薬を飲むのが一般的ですが、薬は食前、食後といったように飲むタイミングが決められています。薬を飲むタイミングを守ることは、病気を治すためや副作用を防ぐためにはとても大切です。

今回は薬を飲む最適なタイミングが決まっている理由と正しい飲み方を紹介します。

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薬を飲むタイミングが決まっている理由

薬は指定されたタイミングで飲まないと、正しい効果が発揮されない可能性があります。また、抗がん剤、解熱消炎、鎮痛薬などは副作用として急性の過敏反応であるアナフィラキシーを引き起こす可能性もあります[注1]

このようなリスクを避けるために、薬には飲むタイミングが決まっています。

[注1]厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル」

食前、食後の正しいタイミング

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薬を飲むタイミングは、食前、食間、食後などに区切られています。それぞれの具体的なタイミングと薬の種類は次のとおりです。[注2]

タイミング 種類
食前 食事の1時間〜30分前:胃の中に食べ物が入っていないとき ・食事や胃酸の影響を受けやすい薬
・血糖値を下げるための薬
・食欲増進剤や食後の吐き気を抑える薬
食間 食事の2時間後:食事と食事の間 ・空腹の状態で飲むと吸収が良い薬
・胃の粘膜を保護するための薬
食後 食事の後30分以内:胃の中に食べ物が入っているとき ・食べ物がある方が吸収が良くなる薬
・空腹時に飲むと胃を荒らす薬
就寝前 就寝する30分くらい前 ・下痢薬
・睡眠薬
・胃酸の分泌を抑える薬
・喘息薬

これら以外にも、解熱剤、鎮痛剤のように痛みや症状がひどい時、急な発作を抑えるために飲む薬(頓服薬)もあります。また、食事の直前に飲む「食直前」や直後に飲む「食直後」があるため、処方された薬が、いつ飲むのが適切かを確認して服用するようにしましょう。

[注2]厚生労働省「知っておきたいくすりの知識」

薬を飲むときに気を付けるポイント

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薬を飲むときには食前、食後といったタイミングだけでなく、飲み合わせや副作用、飲み忘れに気をつけましょう。

薬を飲むタイミング

指定されたタイミング以外で薬を飲んでしまった場合、本来の効果が期待できないだけでなく、副作用や胃や肝臓といった内臓に負担をかけてしまうかもしれません。

異なるタイミングで薬を複数服用していると、飲み間違いが起こる可能性も高くなります。そのため、処方時に一包化を依頼して飲み間違いを防ぎましょう

薬の飲み合わせ

薬には飲み合わせがあり、飲み合わせが悪いと満足いく効果が得られない恐れがあります。また、反対に薬が効きすぎてしまう可能性もあります。

飲み合わせは薬同士だけではなく、サプリメントや食品にもあるため注意が必要です。
例えば、血を固まりにくくするワルファリンという薬と納豆やクロレラ食品の組み合わせは避けた方がよいでしょう。ワルファリンは血液が固まるうえで必要なビタミンKの働きを抑えることで、血液の凝固を防ぎます。ですが、納豆やクロレラ食品はビタミンKを多く含んでいるため、ワルファリンの作用を弱めてしまう可能性があります。

複数の薬やサプリメントを服用しているのであれば、薬を処方される際に、医師や薬剤師にしっかりと相談しましょう。

薬の副作用に気を付けましょう

薬には副作用があります。現れる可能性のある副作用は薬によって異なりますが、代表的な例として挙げられるのが皮膚のかゆみや動悸などの症状が起きるアナフィラキシーや、倦怠感や発熱などの症状が起きる肝機能障害、急な眠気です。副作用のリスクを少しでも避けるために、医師や薬剤師に以下のような経験がある場合はしっかりと伝えておきましょう。

・アレルギーがある
・過去に副作用を経験したことがある
・医師の治療を受けている
・肝臓や腎臓など、薬の成分を代謝・排泄する臓器に疾患がある
・他にも薬を飲んでいる
・運転や高所作業をする

また、高齢の方や妊娠中、授乳中、妊娠の予定がある女性も、医師や薬剤師に副作用のリスクについて相談しておきましょう。特に妊娠中や授乳中の女性は、薬の副作用で赤ちゃんに影響が及ぶ可能性もあるので注意してください

薬を飲み忘れたら?

薬を飲み忘れたからといって、まとめて2回分服用したり、決まったタイミングではない時間に服用したりしてしまうと効果が発揮されないどころか、副作用のリスクを高めてしまいます。
例えば、血糖値の上昇を抑えるために食事の直前に飲む糖尿病の薬を食後に飲んだ場合、低血糖状態になってしまう可能性があります。

万が一、薬を飲み忘れてしまったら、医師や薬剤師に相談して対応を仰ぎましょう。

また、ピルケースで管理して飲みやすくする方法や、服用タイミングをお知らせしてくれるアプリもありますので、自分でできる対策を講じることも大切です。

正しい薬の飲み方

薬はコップ1杯の水かぬるま湯で飲みましょう。ジュースやお茶など、水以外の飲料で薬を飲んでしまうと、薬が吸収されづらく効果が出ない恐れがあります。

特に次のような薬と飲料の組み合わせには注意しましょう。[注3]

飲料 考えられるリスク
ワルファリン 青汁 血を固まりにくくする作用が弱まる
カルシウム拮抗薬 グレープフルーツジュース 薬が効きすぎて血圧が低下してしまう
風邪薬 アルコール 眠気が強くなる
眠気防止薬 カフェインを含む飲料 嘔吐や動悸が現れる

[注3]厚生労働省「知っておきたいくすりの知識」

まとめ

薬を正しいタイミングで飲むことは、効果を最大限に引き出すうえで大切なのはもちろん、副作用を引き起こさないためにも大切です。また、薬には飲み合わせと正しい飲み方もあるので、タイミングとあわせて守る必要があります。

万が一、薬を正しいタイミングで飲めなかったことで、身体に異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

風邪や病気の際には、薬を飲む最適なタイミングを把握して、効果が最大限に得られるように心がけましょう。

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