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【花粉症対策】悪化する前にできるセルフケアや治療法を知っておこう!

風邪でもないのに鼻水やくしゃみが出るといった症状がある人は、花粉症かもしれません。花粉症の患者数は年々増加傾向にあり、誰もが発症する可能性があります。

今回は花粉症について花粉症のセルフケアや治療法について解説します。

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花粉症対策のキホン!花粉症になる仕組み

花粉症はどのような症状なのか、日本にどれくらいの患者がいるかを確認しておきましょう。

花粉症ってどんな症状?

鼻に異物が侵入してくると、身体はその異物を無害化しようとします。この反応を抗原抗体反応といい、花粉症の場合、異物として侵入してきた花粉を排除するため、くしゃみや鼻水、涙などを出します。
このくしゃみや鼻水、涙などが一般的に花粉症の症状とされます。

くしゃみや鼻水などの症状が強く出てしまうと、生活の質の低下につながりかねません。
また、くしゃみや鼻水以外にも、花粉によって皮膚が荒れる、咳や喘息、結膜炎が起きることもあります。

花粉症には、ブタクサ花粉症、スギ花粉症、イネ科の花粉症などがあり、日本の花粉症有病率は次のとおりです。いずれの花粉症も年々増加傾向にあることがわかります。[注1]

花粉症 スギ花粉症 イネ科やブタクサ花粉症などの花粉症
1998年 19.6% 16.2% 10.9%
2008年 29.8% 26.5% 15.4%
2019年 42.5% 38.8% 25.1%

[注1] 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」

花粉症の症状の種類

花粉症の症状には、花粉が体内に入ってすぐ起こる即時相反応と、花粉がなくとも症状が起こる遅発相反応に分けられ、それぞれ次のような症状が現れる可能性があります。[注2]

・即時相反応:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
・遅発相反応:鼻づまり

花粉症の症状が強いと、喉のかゆみ、咳を伴うだけでなく、鼻づまりによる頭痛、鼻や喉の炎症反応による微熱、だるさも現れます。

[注2]厚生労働省「的確な花粉症の治療のために」

花粉が飛びやすいのはいつ?

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花粉が飛びやすい季節は地域と花粉の種類によって異なります。[注3]

花粉の種類 飛散時期
スギ、ヒノキ 春が中心、秋にも少量が飛散
イネ科 春から初秋まで飛散
キク科 夏の終わりから秋にかけて飛散

スギ、ヒノキ、キク科は飛散期間が短い一方、イネ科はカモガヤやオオアワガエリなど種類が多いため、他の花粉と比較すると長い期間に飛散するのが特徴です。

花粉は時期に加えて、時間帯や気候によっても飛びやすさに違いがあります。一般的にスギ花粉は朝と夕方に花粉が飛びやすいとされています。また、気温が高い日の日中、湿度が低い日、風が強い日、前日に雨が降った日などは花粉が飛散しやすい傾向にあるため、注意が必要です。

[注3]環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」

花粉症の対策

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花粉症の対策は日常でできるセルフケアと治療があります。

日常でのセルフケア

日常のセルフケアは外出時、帰宅時、在宅時で異なります。

外出するとき

外出する際は、花粉が顔に付着しないようにマスク、眼鏡、つばの広い帽子などを着用しましょう。マスク、眼鏡のなかには、花粉対策用もあります。花粉対策用マスク、眼鏡であれば、鼻の中の花粉数、結膜の上の花粉数をマスク、眼鏡を未着用時の半分以下まで減らせます[注4]

鼻の中の花粉数 結膜の上の花粉数
マスク、眼鏡未着用 1,848個 791個
通常のマスク、眼鏡着用 537個 460個
花粉対策用マスク、花粉対策眼鏡着用 304個 280個

また、外出時は着る服の素材にも気をつけましょう。一般的にウール素材は花粉が付着しやすいとされています。そのため、花粉が飛散している時期は、花粉が付着しにくい絹や綿素材の服を着用しましょう。

花粉症の飛散情報は気象情報の中で確認できますので、外出の予定がある時は事前に見ておきましょう。

[注4]厚生労働省「的確な花粉症の治療のために」

帰宅したとき

外出すると衣服や髪に花粉が付着する可能性があります。そのため、帰宅時は衣服や髪についた花粉を払い落しましょう。また、洗顔や手洗いを行い、鼻や粘膜に付着した花粉を洗い流すことも大切です。

家にいるとき

自宅にいる際は、窓や戸は長時間開けないようにして、こまめな掃除を心がけましょう。また、洗濯物は室内で干すことで、花粉の付着を避けられます。

治療方法

花粉症の治療方法は薬物療法と手術や免疫療法に分けられます。

薬物療法

花粉症の薬物療法は症状に応じて、以下のように薬が使い分けられます。[注5][注6]

症状
くしゃみ、鼻水 抗ヒスタミン薬
化学伝達物質遊離抑制薬
鼻づまり 抗ロイコトリエン薬
鼻噴霧用ステロイド薬
強い鼻づまり 点鼻用血管収縮薬
経口ステロイド薬
結膜炎 抗ヒスタミン点眼薬
ステロイド点眼薬

結膜炎で用いられるステロイド点眼薬は、眼圧上昇という副作用があるため、放置していると緑内障につながってしまう恐れがあります。そのため、定期的に眼科を受診しなければなりません。

[注5]厚生労働省「的確な花粉症の治療のために」
[注6]環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」

手術や免疫療法

薬物療法以外に、レーザー手術による治療やアレルゲン免疫療法(皮下免疫療法)、舌下免疫療法も花粉症の治療法として用いられます。

レーザー治療は鼻の粘膜の表面をレーザーで照射します。これによって鼻の粘膜の腫れと鼻づまりが解消可能です。また、照射された粘膜は固くなるため、花粉が付着しづらくなります。

一方、アレルゲン免疫療法、舌下免疫療法では、花粉の抽出液やスギ花粉エキスを摂取して免疫をつける治療法です。両者は以下のとおり異なります。[注7]

皮下免疫療法 舌下免疫療法
投与経路 皮下注射(通院時) 舌下(毎日)
投与の痛み あり なし
全身性の副作用
(アナフィラキシーなど)
可能性あり 皮下免疫療法より
少ない可能性

[注7]厚生労働省「的確な花粉症の治療のために」

まとめ

花粉症は症状が強いと、鼻づまりによる頭痛、鼻や喉の炎症反応による微熱、だるさが現れることがあります。症状を悪化させないためにも、まずはセルフケアを心がけましょう。外出時は花粉対策用のマスクや眼鏡を着用したり、帰宅時は服や髪に付着した花粉を払い落したりといったケアが大切です。

花粉症が悪化して日常生活に支障をきたすようになったら、医師に相談して適切な治療をすることも大切です。

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