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成長期に摂取したい栄養素は?知っておきたい栄養素と食事について

子どもが成長するうえで成長期は欠かせない時期です。そのため、成長期には栄養に気を付けて、子どもの健やかな身体作りをサポートしましょう。

この記事では成長期に摂取したい栄養素や食事について解説します。

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成長期に栄養バランスの良い食事を摂りたいワケ

成長期は第一次成長期、第二次成長期の2回訪れます。一般的に成長期と言われているのは、第二次成長期です。

成長期を迎える年齢は個人差がありますが、男の子であれば13歳ごろ、女の子であれば11歳ごろです[注1]それぞれ成長期に身長が大きく伸び、男の子は約9cm、女の子は約8cmも成長します。また、身長だけでなく、体重も増える時期です。

このように身体が大きく成長する時期だからこそ、成長期には栄養バランスの取れた食事を心がける必要があります

[注1]文部科学省「女性のスポーツ参加促進事業」

成長期に必要な栄養素

卵や牛乳、牛肉、大豆など成長期に必要な栄養素のイメージ

成長期に必要となる主な栄養素はタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン(ビタミンD、ビタミンK、ビタミンB1)、カルシウム、鉄分です。成長期には、これらの栄養素をバランス良く摂取するようにしましょう。

【成長期】栄養素の一日の摂取目安量

成長期に必要な栄養素の、一日あたりの摂取目安量は次のとおりです。

男の子
(12〜14歳)
女の子
(10〜11歳)
タンパク質[注2] 60g/日 50g/日
脂質[注3] 20〜30% 20〜30%
炭水化物[注4] 50〜65% 50〜65%
ビタミンD[注5] 8.0μg/日 8.0μg/日
ビタミンK[注6] 140μg/日 140μg/日
ビタミンB1[注7] 1.4mg/日 1.1mg/日
カルシウム[注8] 991mg/日 732 mg/日
鉄分[注9] 10.0mg/日 8.5mg/日(月経なし)
12.0mg/日(月経あり)

タンパク質、脂質、炭水化物はエネルギーの基となる栄養素です。ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートする働きがあります。ビタミンKは出血を抑え、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きを担っています。

また、カルシウムは骨や歯の形成、血液の凝固に欠かせない栄養素です。成長期は急速に身長が伸びることによって筋肉量と血液量が増加します。そのため、鉄分が必要になってきます。

タンパク質、脂質など、成長期に摂取したい栄養素を多く含んだ食べ物は主に以下のとおりです。
・タンパク質:豚肉(ヒレ) 100gあたり39.3g
・脂質:いわしの缶詰 100gあたり30.7g
・炭水化物:米 100gあたり84.8g
・ビタミンD:卵黄(生) 100gあたり12.0μg
・ビタミンK:ほうれん草(油いため) 100gあたり510μg
・ビタミンB1:豚肉(ヒレ) 100gあたり2.09mg
・カルシウム:おから 100gあたり310mg
・鉄分:大豆 100gあたり12.0mg

例えばタンパク質であれば豚肉200gを食べれば、タンパク質60gを摂取可能です。ですが、栄養素は朝昼晩の3食でバランス良く摂取するようにしましょう。

[注2]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P126
[注3]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P149
[注4]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P164
[注5]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P206
[注6]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P208
[注7]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P257
[注8]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P280
[注9]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P366

成長期の栄養素を上手に摂る食事

成長期は栄養素だけでなく、3食しっかりと食事することも大切です。例えば朝食を抜いてしまうと学校の授業に集中できない可能性もあります。

このように成長期にとって重要な食事は、次の5つの料理グループを意識するとよいでしょう。それぞれ、1日の理想的な摂取量があるため、朝食、昼食、夕食の3回に分けて摂取します。

・主食(1日で5〜7つ摂取):ごはん、パン、麺類
・副菜(1日で5〜6つ摂取):野菜、きのこ、いも、海藻料理
・主菜(1日で3〜5つ摂取):肉、魚、卵、大豆料理
・牛乳・乳製品(1日で2つ摂取):牛乳1本分
・果物(1日で2つ摂取):みかん2個程度

朝食

寝ている間にブドウ糖が消費されるため、起床後にごはんやパンといった炭水化物を食べてブドウ糖を補給しましょう
朝食の例として下記の表をご参考にしてみてください。

主食 副菜 主菜 牛乳・
乳製品
果物
ロールパン
2個
2
※ご飯小盛1杯と同等
野菜スープ 1
目玉焼き 1
ヨーグルト 1
リンゴ半分 1
2 1 1 1 1

昼食

昼食では成長期の発達に欠かせないカルシウムを牛乳から摂取しましょう。また例えば、カレーライスであれば主食、副菜、主菜をまとめて摂り入れられるので、忙しいときでも理想の食事バランスを整えやすいです。

主食 副菜 主菜 牛乳・
乳製品
果物
カレーライス 2 2 2
レタスときゅうりのサラダ 1
牛乳 2
みかん 1

夕食

夕食は朝食、昼食で摂れなかった栄養を補うような食事にしましょう。上記の例では、朝食、昼食で牛乳・乳製品、果物は十分に摂取しているため、副菜と主菜でバランスを取るようにしましょう。

主食 副菜 主菜 牛乳・
乳製品
果物
ごはん
(大盛)
2
ほうれん草
のお浸し
1
ハンバーグ
(1/2サイズ)
1.5
ジャガイモ
の味噌汁
1

足りない栄養素は「補食」で補おう!

補食で足りない栄養素を補う子どものイメージ

成長期の子どもは、3食だけではエネルギーを補いきれないかもしれません。特にクラブ活動や習い事などで定期的に運動をしている子どもの場合、3食だけでは物足りないでしょう。

そのため、成長期の子どもは栄養素を補食で補いましょう。成長期の子どもにとって間食は補食となります。そのため、3食とのバランスを考慮したうえで、間食の時間を設けましょう。
また、間食する際は好きな物ばかりを食べさせるのではなく、栄養バランスを意識することが大切です。基本的には、子どもが3食で摂取する栄養素を考えながら、1日の栄養バランスを整えます。同じものや似たような食品ばかりを食べさせるのも避けましょう。

まとめ

子どもにとって成長期は、健康的な身体作りをするうえで大切な時期です。身体作りにはタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンなどが欠かせません。そのため、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物といった5つの料理グループから必要な栄養素を摂取するように心がけましょう。

また、栄養バランスに加えて、睡眠や適度な運動も子どもの成長には欠かせません。食事を含む生活習慣に気を付けて健康的な身体作りを目指しましょう。

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