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イヤイヤ期はいつから始まる?イヤイヤ期の子どもとの向き合い方

子どもは成長の過程でさまざまな心の変化を迎えます。そのため、親は子どもの心の変化に柔軟に対応していくことが大切です。

この記事では子どもの成長過程でもあるイヤイヤ期について、子どもとの向き合い方を含めて解説します。

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イヤイヤ期とは?なぜ起こるのか

イヤイヤ期とは、自己主張が強くなって自分の気持ちを押し通そうと、「イヤ」を繰り返すことが多くなる1歳後半から3歳ごろまでの時期を指します。この時期の子どもは親の言うことに対しても「イヤ」と返事をするため、第一次反抗期、魔の2歳児と呼ばれることもあります。

実際、文部科学省「子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集」によれば、「子どもが言うことを聞かない」を子育ての悩みとして挙げている未就学児の親の割合は、2歳から現れ始めて4歳から減少しています[注1]

【「子ども(未就学児)が言うことを聞かない」と悩む親の割合】

2歳 3歳 4歳 5歳
21.9% 27.5% 23.0% 19.3%

このようにイヤイヤ期は数年すれば終わりがくる一時的なものといえます。

[注1]文部科学省「子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集」

イヤイヤ期、実は成長の証!

2歳前後は子どもの自我が芽生える時期にあたります。そのため、ただダダをこねているのではなく、自己主張や気持ちの抑制を学ぼうとした結果、イヤイヤ期が訪れるのです。

このような「イヤイヤ」は前頭前野の機能が発達して、徐々に自分の気持ちをコントロールできる3歳〜4歳ごろから減少する傾向にあります。

イヤイヤ期はいつからいつまで?

1歳半から2歳の子どものイメージ

イヤイヤ期は1歳後半から現れ始めて、2歳ごろにピークを迎えるとされています。ただ、親によってイヤイヤ期に入ったかどうかの捉え方は異なります。また、言葉の発達が早い、おとなしいといったように、子どもの性格や発育状況によっては、過度なイヤイヤ期が訪れない可能性があります。

このように、イヤイヤ期は親の感じ取り方や子どもによって、バラつきがあるものです。他の家庭と比べたり、強く身構え過ぎたりせず、「そろそろ始まったかな?」「そのうち終わる」と、なるべくおおらかに捉えることをおすすめします。
ストレスが溜まらないよう周囲を上手に頼って、ある程度の余裕を保てるようにしておくことも大切です。

イヤイヤ期の子どもへの向き合い方

イヤイヤ期を迎えた子どもには、自己肯定感を高められるような向き合い方を心がけましょう

日本は他国と比較すると若者の自己肯定感が低いとされています。内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度)」内で、各国満13歳から満29歳までの男女を対象に「私は、自分自身に満足している」と質問した結果、日本人はそう思うが10.4%、どちらかといえばそう思うが34.7%でした。対してアメリカはそう思うが57.9%、どちらかといえばそう思うが29.1%となっています。[注2]
イヤイヤ期の子どもに対して感情的に怒ったり、否定ばかりせずに、子どもが感情をうまく表現できるようサポートしてしっかりと向き合うことで、自己肯定感を高めてあげましょう

[注2]内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度)P8

ある程度やりたいようにさせてあげる

子どもが一人でやろうとしていることは、時折サポートも交えつつやらせてあげましょう。最初からできないと決めつけたり、できなかったことを叱責したりすると萎縮してしまう恐れがあります。また、できたことはしっかりと褒めてあげることも大切です。

何がしたいのか聞き続けてあげる

イヤイヤ期の子どもは自己主張が強く、自分の希望通りにしたいという気持ちが強くなります。ですが、子ども自身がどのように希望を伝えていいかが分からず、もどかしさからイライラしてしまう場合もあります。そのため、親は子どもが何をしたいのかをじっくりと聞き続けてあげて、子どものしたいことを引き出してあげましょう。

気持ちを代弁してあげる

子どものやりたいことを聞き続けてあげると同時に、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。「〇〇がやりたかったの?」「〇〇が嫌なの?」といったように、うまく気持ちを伝えられない子どもに代わって、気持ちを言葉にします。

その後、「そうだね。〇〇だね」と共感を示すことで、子どもは理解してもらえたと思って安心するでしょう。

褒めてあげる

子どもを褒める際は、ちょっとしたことでも褒めることを心がけましょう。たとえばご飯を食べられた、自分で着替えられたなどできたことを褒めてあげれば、子どもは次も頑張ろうという気持ちになります。

遊び感覚を取り入れる

イヤイヤ期の子どもは何かを頼んでも、「イヤ」と拒否してしまいます。そのため子どもに何かしてほしいことがあれば、遊びの感覚を取り入れて伝えてみましょう。たとえば、お風呂に入るのであれば「お風呂まで競争しよう!」といったように、子どもが楽しめるような要素を盛り込むと、素直にお願いを聞いてくれることもあります。

選択肢を与えて選ばせてあげる

子どもに何かやってほしいことがある際には、選択肢を与えて自分で選ばせるようにすることで、子どもが行動に移してくれる可能性があります。もし選択肢に対しても「イヤ」を押し通すようであれば、時間を改めて挑戦してみましょう。例えば、お絵かきに夢中になっている子どもに対して、食事の時間になったためご飯を食べてほしい場合、夢中になっているものを無理やり終わらせることは難しいでしょう。その際、曖昧に「あとでね」と伝えるのではなくて、「ご飯が終わったらお絵かきをしよう」といったように明確な時間を設定するとよいでしょう

イヤイヤ期に耐えられないと悩む親へ

イヤイヤ期の子どもを育てる親のイメージ

イヤイヤ期は成長の証と分かっていても、日頃から育児に追われていると親である皆さんはストレスを感じてしまうこともあります。子どものイヤイヤ期にストレスを覚えたら周囲を頼ったり、時間に余裕を持ったりするといいでしょう。

上手に周囲を頼る

イヤイヤ期に限らず、育児にストレスを感じるようになったら上手に周囲を頼るようにしましょう。パートナーや親、兄弟にサポートを依頼したり、保育園の一時利用や民間のベビーシッターサービスを利用したりといったように、自分ひとりで抱え込まないようにすることが大切です。

時間に余裕を持つ

イヤイヤ期の子どもと向き合うために、親はできるだけ時間に余裕を持つようにしましょう。忙しくなってしまうと心に余裕が無くなり、子どもとのやり取りにストレスを感じてしまう恐れがあります。

そのため、子どものイヤイヤが出ることを踏まえて余裕を持った時間の使い方を心がけましょう。

落ち着いて会話をする

イヤイヤ期の子どもは自分の気持ちややりたいことを上手に伝えられない可能性があります。そのため、親は子どもの一言一言に過剰に反応するのではなく、落ち着いて会話をして何がしたいのかを導き出すようにしましょう。

必要以上に干渉しない

イヤイヤ期は子どもが自立心を育む期間です。そのため危険なこと、やってはいけないこと以外は、過度に干渉しないことも大切です。

干渉しすぎてしまうと子どもの成長につながらないうえに、親も疲れてしまいます。

まとめ

1歳後半から3歳ごろの子どもはイヤイヤ期にあたるため、自分の考えややりたいことを通そうとします。これは、子どもが自主性を育むうえでは欠かせない過程です。
イヤイヤ期の子どもと向き合うには、ある程度やりたいことをやらせてあげる、気持ちを代弁してあげるといった心がけが大切です。
周囲の環境を整えながら、子どもが自己肯定感を高めていけるように関わっていきましょう。

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