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基礎知識

介護保険制度とは?
制度のしくみや保険料などの基礎知識を解説!

日本では、一定の年齢に達した人は介護保険に加入することが法律で義務づけられています。

介護保険に加入すると、介護が必要になったときに所定の保障を受けられるようになりますが、どんなときにどういったサービスを利用できるのか、いまいちわからないという方も少なくありません。

介護はいつ、どんなときに必要になるかわかりませんので、いざというときのために介護保険制度についてよく理解しておくことが大切です。

この記事では、介護保険制度の概要としくみ、介護保険料を支払うタイミング、介護保険で受けられるサービスの内容や利用方法について解説します。

目次

介護保険制度とはどんな制度?

介護保険制度とは、社会全体で介護を支えることを目的に創設された公的保険制度です。

介護保険制度を利用すると、65歳以上の要介護状態または要支援状態になった方が訪問介護や訪問看護といった介護サービスを利用した場合、サービスにかかった費用の一部を保障してもらえます。[注1]

介護保険制度がスタートしたのは2000年のことですが、創設された背景には、年々深刻化する高齢化問題があります。

令和3年版高齢化白書によると、令和2年10月1日現在の65歳以上人口は3,619万人で、総人口に占める割合は28.8%に上っています[注2]

一方で総人口は年々減少していることから、今後も少子高齢化は進行の一途を辿り、令和47年には約2.6人に1人が65歳以上になると推測されています

かつて親の介護は子や親族が行うものとされていましたが、少子高齢化が深刻化している現代日本では、家族だけで介護を担うのは困難になりつつあります。

介護保険制度は、こうした高齢化問題への取り組みの一貫として創設され、介護の悩みを抱える方を支援する制度として活用されています。

[注1]厚生労働省「介護保険制度について」P1
[注2]内閣府 「令和3年版高齢社会白書 第1章 高齢化の状況」

介護保険の対象者と受給要件

介護保険の対象者は、以下のとおりです。[注1]

介護保険の対象者

65歳以上の「第1号被保険者」と、40歳〜64歳までの「第2号被保険者」に区分されます。[注1]

第1号被保険者は要介護状態・要支援状態になった場合に介護保険を利用することが可能となります。

保険料は市町村と特別区によって、原則として年金から天引きされます。

一方、第2号被保険者の方は老化に起因する疾病によって要介護または要支援状態になった場合のみ、介護保険制度を利用することができます。[注1]

ここでいう「老化に起因する疾病」とは、がんや関節リウマチ、初老期における認知症といった16の特定疾病を指します。

介護保険制度のしくみを解説

介護サービスのイメージ

介護保険制度は、被保険者・保険者・介護サービス事業者の3者で構成されるしくみになっています。[注3]

被保険者とは介護保険に加入している第1号および第2号被保険者のことで、要介護・要支援認定を受けて介護サービスを受けた場合、介護保険制度を利用すれば窓口での負担は1割または2割で済みます。[注3]

被保険者に介護サービスを提供した介護サービス事業者は、保険者に対して介護サービス費用の請求を行い、被保険者が窓口で負担した1割(または2割)分を除く9割(または8割)の費用を保険者から受け取ります。[注3]

ここでいう保険者とは市区町村や広域連合のことですが、介護保険制度の財源は、公費と介護保険料によってまかなわれています。

保険料の内訳は、以下のとおりです。[注3]

保険料の内訳

合計すると、国や都道府県、市町村が50%、第1号被保険者・第2号被保険者が負担する介護保険料が50%となっています。

なお、被保険者が窓口で支払う自己負担の割合は、所得によって異なります。
負担割合は原則として1割ですが、65歳以上の方のうち、一定以上の所得がある方は2割、特に所得の多い方は3割負担になることもあります。[注4]

[注3]厚生労働省「介護保険制度について」P2
[注4]厚生労働省「介護保険最新情報(令和4年3月31日)」1.利用者負担割合の判定事務 T 原則的な要件(2)

介護保険料は何歳からいくら支払うの?

介護保険料は第2号被保険者になる満40歳に達した月から、医療保険と合わせて徴収されるしくみになっています。[注5]

保険料額は第1号被保険者と第2号被保険者によって計算方法が異なります。

[注5]厚生労働省「介護保険制度について」P1

第1号被保険者の介護保険料

第1号被保険者の場合、介護保険料の支払いは原則として年金からの天引きとなります。

保険料額は、介護サービス基盤の整備の状況やサービス利用の見込みなどに応じて保険者(都道府県や市区町村など)ごとに設定する保険料基準額に、所得区分ごとに設けられた倍率を乗じて計算します。

なお、第8期期間(令和3年度〜令和5年度)における介護保険の第1号保険料は6,014円です。[注6]

所得区分ごとの段階および適用倍率は保険者によって異なりますが、段階は9段階以内、倍率は0.3倍〜1.7倍が適用されるケースが多いようです。

たとえば保険料基準額が6,014円で、0.5倍が適用される第2段階の方の場合、介護保険料は6,014円×0.5倍=3,007円となります。

詳しい保険料を知りたい場合は、お住まいの自治体ごとの保険料基準額および所得段階・倍率を確認しましょう。

[注6]厚生労働省「第8期計画期間における介護保険の第1号保険料について」

第2号被保険者の介護保険料

第2号被保険者の介護保険料は、加入している健康保険によって計算方法が異なります。

健康保険に加入している場合、健康保険ごとに設定されている介護保険料率と、給与・賞与(標準報酬月額・標準賞与額)の額に応じて決定します。

たとえば協会けんぽでは令和4年3月分から介護保険料を以下のとおり設定しています。[注7]

”40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、これに全国一律の介護保険料率(1.64%)が加わります。”

標準報酬月額および標準賞与額は自治体によって異なりますが、仮に標準報酬月額が25万円だった場合、介護保険料は25万円×1.64%=4,100円となります。

なお、健康保険の場合、保険料は事業主との折半になるため、実際に被保険者が負担するのは1/2の2,050円となります。

一方、国民健康保険の被保険者は、国民健康保険料の算定方法と同じく、世帯ごとの所得に応じて計算します。

保険料は被保険者の全額負担となり、国民健康保険の医療分と合わせて徴収されます。[注8]

[注7]全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和4年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
[注8]厚生労働省「介護保険制度について」P2

介護保険制度で受けられるサービスの利用方法と内容

介護サービスを受けるまでの流れのイメージ

介護保険制度を利用して介護サービスを受けるまでの流れをご説明します。[注9]

1.要介護・要支援の認定申請を行う

介護保険サービスを利用するには、まず市区町村の窓口にて要介護(要支援)認定の申請を行う必要があります。

申請の際、第1号被保険者は介護保険の被保険者証、第2号被保険者は医療保険の被保険者証の提示が必要です。

2.認定調査の実施

申請手続きをすると、後日認定調査員(市区町村の職員など)が申請者の自宅を訪問し、被保険者の心身の状況についての聞き取り調査を行います。

一方で、市区町村が被保険者のかかりつけ医に直接依頼し、心身の状況に関する意見書が作成されます。

3.要介護・要支援の認定

認定調査の結果とかかりつけ医の意見書をもとに、介護認定審査会で要介護・要支援の有無および要介護度・要支援度の決定を行います。

要介護・要支援に認定された場合、市区町村からその旨が通知されます。

4.ケアプランの作成・サービスの利用開始

市区町村から要介護・要支援認定を受けたら、介護サービス事業者にケアプランの作成を依頼します。

作成したケアプランに基づいた介護サービスを利用した場合、介護保険制度が適用され、被保険者の窓口での負担は1割〜2割になります。

介護保険で利用できる主な介護サービス

介護保険が適用される介護サービスは、自宅で利用できるものから施設などを利用するものまで多岐に亘ります。

自宅で利用できるサービスの一例を挙げると、ホームヘルパーが入浴や排泄、食事などの補助や調理・洗濯などの家事を代行する「訪問介護」、看護師が医師の指示をもとに、健康チェックや療養上の世話などを行う「訪問看護」などがあります。

一方、日帰りで施設を利用するサービスには、食事や入浴の支援、心身機能の維持・向上を目的とした機能訓練などを行う「通所介護(デイサービス)」、日常生活の自立を助けるために、理学療法士や作業療法士がリハビリテーションを実施する「通所リハビリテーション(デイケア)」などがあります。

他にも、施設などに短期宿泊して必要な支援を受ける「短期入所生活介護(ショートステイ)」、要介護3以上の方を対象に、施設に入居して介護を受ける「特別養護老人ホーム」などのサービスがあります。

[注9]厚生労働省「介護保険制度について」P3

まとめ

介護保険制度を利用すると、介護サービスの費用負担を軽減することができます。

少子高齢化が進む現代日本では、介護サービスを上手に活用することが重要となりますので、いざというときにスムーズに介護サービスを利用できるよう、申請方法や利用方法をあらかじめチェックしておきましょう。

なお、公的な介護保険制度と合わせて、民間の介護保険を利用すれば、さらに介護サービスの負担料を軽減することができます

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