MCIスクリーニング検査プラスで認知症を予防しよう

認知症予備群である軽度認知障害(MCI)は、そのままにしておくと認知症へ進行する恐れがあります。そんなMCIのリスクを判定するための検査が、「MCIスクリーニング検査プラス」です。自覚症状がない段階であってもMCIスクリーニング検査プラスを受けることで、MCIの兆候をいち早く発見でき、認知症の予防へとつなげられます。

目次

MCIスクリーニング検査プラスとは?

MCIスクリーニング検査プラスとは、株式会社MCBIが提供している、認知症の前段階である軽度認知障害(以下、MCI)のリスクを判定するための血液検査です。MCIでは認知機能の一部に問題が生じるものの、症状の程度が軽く、日常生活を送るのにさほど支障はありません。しかし、MCIのまま何も対策をとらずに過ごしていると、約5年で半数以上が認知症へと進行するとされており、MCIの早期発見と早期対策こそが認知症を防ぐ鍵となっています。

認知症には複数のタイプがありますが、その中で最も多く、全体の60%以上を占めているのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症の原因は、アミロイドβ(ベータ)ペプチド(以下、「アミロイドβ」と記載します)という老廃物が脳内に溜まり、神経細胞を破壊することによると考えられており、MCIスクリーニング検査プラスでは少量の血液を採取し、アミロイドβの蓄積や血管の老化などに関与するタンパク質を調べることで、MCIのリスクを判定します。

MCIスクリーニング検査プラスで見るタンパク質

検査では、アミロイドβの蓄積や血管の老化などに関与するタンパク質の血中濃度を調べます。

・栄養系タンパク質群

あたまの中のアミロイドβを排除したり、毒性を弱める機能があります。

・脂質代謝系タンパク質群

あたまの中の健康を保つものや、アミロイドβの排出を助ける機能があります。

・炎症・免疫系タンパク質群

アミロイドβを排出する役割を担う細胞や体の免疫機能を担う細胞とともに脳内を健康に保つ機能があります。

・凝固線溶系タンパク質群

あたまの中の血管損傷部位を修復したり、血管のつまりを解消する働きがあります。

MCIスクリーニング検査プラスの内容

検査では少量の血液採取を行い、その血液の中に含まれる特定のタンパク質の濃度を測定します。そして測定値をもとにMCIのリスクをチェックし、そのレベルに応じてA~Dの4段階で判定されます。検査結果は医療機関にて受け取り、医師より、結果に合わせた指導を受けることができます(医療機関によっては郵送での受け取りになる場合があります)。なおこの検査は、ほかの健診や人間ドックと一緒に受けられる場合もあります。

MCIスクリーニング検査プラスは、すでに認知症と診断をされている方は検査の対象外です。持病や治療中の薬によっては判定に影響する可能性がありますので、心配な方は検査を実施している医療機関に相談してみましょう。またこの検査は健康保険適用外ため、費用は全額自己負担となります。

MCIスクリーニング検査プラスの流れ

次に、MCIスクリーニング検査プラスを受けるまでの流れを見てみましょう。

  1. まずは、MCIスクリーニング検査プラスを実施している医療機関を、株式会社MCBIの検査実施医療機関検索ページbrankで探しましょう。実施している医療機関は全国にあるため、住まいの近くの医療機関で検査を受けることが可能です。

  2. 医療機関に検査の予約を入れ、受診して採血を行います。検査を受ける前は、体調を整えておきましょう。検査の結果が出るまでの期間は、およそ2~3週間です。
  3. 検査結果レポートを医師から受け取り、アドバイスを受けましょう。
  4. 検査後は、医師からのアドバイスをもとに生活習慣を改善し、認知症予防に取り組みましょう。自分の変化にいち早く気づくため、検査を受けた後も健康診断同様、年1回を目安に定期的に受けることをおすすめします。

認知症は、一度発症すると時間の経過と共に症状が進行するため、MCIの段階で早期発見・早期治療することが非常に大切です。例え自覚症状がなくても、今のうちからMCIスクリーニング検査プラスでMCIのリスクをチェックし、認知症の予防に取り組みましょう。