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基礎知識

医療保険は控除の対象!
基礎知識と受け取るまでの方法とは

民間の医療保険に加入していたり、年間の医療費が高くなってしまったりしたときは、控除申請をすることで税金を安くできるかもしれません。税金を安くするためには「年末調整」や「確定申告」の手続きをする必要があります。

この記事では、民間の医療保険にかかる保険料の控除制度と、医療費控除について解説します。控除の対象となる費用を知って、正しく節税していきましょう。

保険でよく聞く「控除」って何?

年末調整や確定申告の時期になると「控除」という言葉をよく耳にします。「控除をすれば税金を減らせる」とわかっていても、どのようなものが対象となるのか、どのような制度なのかについて具体的に知らない人も多いのではないでしょうか。

まずは、控除がどんな制度なのかについて詳しく見ていきましょう。

控除とはどんな制度?

控除は「一定の金額を差し引く」という意味を持っており、一定の基準を満たす人の税負担を軽くする制度のことを指します。私たちが支払う税金の額は、収入から必要な経費や一定の金額を差し引いた「課税所得」をもとに算出されます。このときに収入から差し引かれる一定の金額は「所得控除」と呼ばれ、医療保険にかかった保険料や医療費なども「所得控除」の対象にできます

確定申告や年末調整で収入から「所得控除」の金額を差し引くことで、課税の対象となる所得の金額を減らして税金を安くすることができます。もし払いすぎていた税金があれば、手続きをすることで還付金を受け取ることが可能です。

控除の種類は大きく分けると2種類

一口に控除と言っても、さまざまな種類が存在し、大きく「人的控除」と「物的控除」に分類できます。そのうち、医療保険に関わる生命保険料控除や医療費控除は「物的控除」に含まれます

●人的控除  
基礎控除や扶養控除など、その人の環境や条件によって適用される
●物的控除  
生命保険料控除や医療費控除など、該当する出費があったときに受けられる

人によって申請できる控除は異なります。申請をするときは、どの控除が受けられるのかしっかり調べましょう。

「生命保険料控除」と「医療費控除」の特徴と計算方法は?

電卓を叩く手

正しく控除を申告して税金を安くするためには、各控除の特徴と計算方法を知っておくことが大切です。ここからは、それぞれの特徴と計算方法について深掘りしていきましょう。

生命保険料控除

生命保険料控除は、かかった保険料に応じて所得から一定金額を控除できる制度です。生命保険料や個人年金保険料、平成24年以降に加入した生命保険契約にかかる生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料の3種類が、生命保険料控除の対象となります。このうち「介護医療保険料」の対象となるのが医療保険です。

生命保険料控除の金額は、保険を契約した時期によって異なります。ご自身の契約年に合わせて、以下の式を使って算出してください。[注1]

【新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約)】
新契約に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額となります。

新契約に基づく生命保険料控除の計算式

【旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約)】
旧契約に基づく旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額となります。

旧契約に基づく生命保険料控除の計算式

[注1]国税庁「No.1140 生命保険料控除」

新旧生命保険料控除、新旧個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の合計額が12万円を超える場合には、生命保険料控除額は12万円となります。

医療費控除

医療費控除とは、ご自身や家計をともにする配偶者、親族のために支払った医療費を控除する制度のことです。すべての人が控除を受けられるわけではなく、医療費が一定額を超えた場合のみ控除が受けられます。

一定額とは、所得金額が200万円以上の場合10万円、200万円未満の人は、所得金額の5%となります。家族全員の年間の医療費の合計がこの金額を超えたら、医療費控除の対象となることを覚えておきましょう。

医療費控除額の算出方法は、次の通りです。[注2]

(実際に支払った医療費の合計額−(1)の金額)−(2)の金額

(1)保険金などで補てんされる金額
(2)10万円(その年の所得金額が200万円未満の人は、所得の5%)

[注2]国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

生命保険料控除と医療費控除の申告方法は?

保険料控除申請書と電卓

実際に控除できる金額を算出できても、申告をしなければ控除を受けることはできません。ここからは、税金を減らすための控除の申告方法を解説します。

生命保険料控除の申請方法

生命保険料控除を申告するときは、保険料の控除額が記載された「生命保険料控除証明書」が必要となります。この書類は10月〜11月頃に保険会社から郵送されてくるため、手元に届いたら失くしてしまわないように保管しておきましょう。

生命保険料控除を受けるための申告をする方法は、会社員など被用者と自営業の人で異なります。

会社員など被用者の場合

会社員など被用者の場合、年末調整の手続きの際に生命保険料控除を申告できます。会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記載し、生命保険料控除証明書を添付すれば手続きは完了です。

控除を申告して所得税が安くなれば、源泉徴収されていた所得税が還付されます。また、翌年の住民税が減額されるケースもあります。

もし年末調整で申告し忘れた場合は、確定申告することも可能です。

自営業の場合

自営業の人は、2月中旬から3月中旬に行う確定申告のときに控除の手続きをすることになります

確定申告で記入する「第一表」と「第二表」それぞれに「生命保険料控除」の欄がありますが、それぞれ記載する金額は異なるため注意してください。「第一表」には、最終的な生命保険料控除の金額を記載し、「第二表」には、控除額ではなく、実際に支払った保険料の金額を区分に応じて記載します。確定申告でも年末調整と同様に、生命保険料控除証明書の提出が必要です。

確定申告書に記載して所得控除の金額を増やすことで、算出される税額を減らすことができます。

医療費控除の申告方法

医療費控除を受けるときは、会社員であっても確定申告をする必要があります。確定申告で医療費控除を受けるときは、「医療費控除の明細書」を作成して確定申告書に添付する必要がありますが、加入している健康保険組合や協会けんぽなどから年末に自宅へ届く「医療費通知」を添付することで、明細書の簡略化をすることも可能です(※)[注3]必要書類を揃えたら管轄の税務署へ提出すれば、控除の申告は完了です。

(※)「医療費通知」に申告に必要な内容が記載されている場合に限り添付書類として使用可能

場合によっては、医療費控除の明細書の内容を確認するために医療費の領収書を確認されることもあります。念のため、確定申告期限から5年を経過する日までは領収書をしっかりと保管しておきましょう

[注3]国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

セルフメディケーション税制も活用可能

平成29年分以降の確定申告から「セルフメディケーション税制」が導入されました。セルフメディケーションとは、「自分自身で適切な健康管理をする」ことです。医療費の控除を受けるときは、通常の医療費控除あるいはセルフメディケーション税制の2つから選びます。

セルフメディケーション税制の利用ができるのは、健康診断を受けるなど自身の体調管理につとめた上で、年間で12,000円以上の対象医薬品を購入した人です。医療費控除の基準額に達していない人でも比較的控除を受けやすいところが、この制度の大きな特徴です。

セルフメディケーション税制の申告をするためには、以下の3種類の書類の提出が必要となります。[注4]
1.確定申告書
2.セルフメディケーション税制の明細書
3.一定の取組を行ったことを証明する書類(定期健康診断の結果通知書や各種検診、予防接種などの証明書)

注意点としては、医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらかひとつしか申請できない点が挙げられます。どちらのほうが控除額が大きくなるかをしっかりと算出し、最適なほうを選択することが大切です。

[注4]国税庁「No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】」

生命保険料控除と医療費控除を活用して賢く節税しよう

医療保険に加入している人や一定額以上の医療費を支払っている人は、年末調整や確定申告で控除を受けることで、税金が安くなったり還付金が受けられたりする可能性があります。控除額や申告についての正しい知識を身につけ、控除制度を最大限に活用していきましょう。

とくに、医療費控除もしくはセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか申請できません。どちらがより節税できるか計算をして、より手取りを増やせる方法を選びましょう。

また、医療保険をご検討の方はスマ保険の「入院重点プラン」もご参考になさってください。

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