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基礎知識

医療保険とは?
基本のキをわかりやすく解説

医療保険とは、病気やケガで通院したり入院したりするときに、医療費負担を軽減してくれる制度のことです。実は、医療保険は国の制度である「公的医療保険」と「民間の医療保険」の2つに分けることができることをご存知でしょうか。
この記事では、今さら聞けない医療保険の基礎知識についてわかりやすく解説します。

公的医療保険とは?どんな保障があるの?

医療保険とは、相互扶助の精神にもとづき、加入者全員がお金を出し合って医療費負担が大きい人の経済的負担を軽減する仕組みのことを指します。医療保険は「公的医療保険」「民間の医療保険」の2種類があり、それぞれで役割が異なります。

はじめに、公的医療保険とはどんなものなのか、基礎知識を身につけていきましょう。

日本は「国民皆保険制度」

日本は、生まれてから死亡するまで誰もが公的医療保険に加入する、「国民皆保険制度」を採用しています。公的医療保険は、私たちが病気やケガをした際の医療費の給付があり、自己負担は1割〜3割となります。医療費の給付だけでなく、出産をした際の出産給付や死亡した際の死亡給付、病気やケガで働けなくなった際の傷病手当金など様々な給付があります。

日本だと当たり前過ぎてあまりピンと来ないかもしれませんが、アメリカの医療費と比較すると、この制度のよさがイメージしやすいかもしれません。

アメリカには障害者や高齢者を除く人々に向けた公的医療保険がないため、医療費の自己負担が非常に高額になります。虫垂炎の医療費を例に取ってみると、日本では保険適用で約30万円の費用に対し、アメリカのニューヨークではすべて自己負担で約152万円以上かかることになります。[注1]

このように日本の国民皆保険制度は、安心して医療を受けるためには欠かせない制度なのです。

[注1]日本医師会「日本と諸外国の医療水準と医療費」

公的医療保険の種類

公的医療保険は、働き方や年齢により加入する保険が異なります。その種類は3つに分類されます。

●国民健康保険
  自営業や退職者、無職の人が加入する地域保険
●健康保険
  会社員が加入する健康保険組合や協会けんぽ、共済組合などの職域保険
●後期高齢者医療制度
  職業にかかわらず75歳以上の方が加入する

会社に勤めている人やその扶養家族は「健康保険」に、自営業や農家、無職など会社に所属しない人とその家族は「国民健康保険」に加入することになります。健康保険では傷病手当金や出産手当金が支給されますが、国民健康保険はこれらの保障がありません。この2つの保障の違いをまとめると、以下のようになります。[注2]

国民健康保険と健康保険の比較表

保険料は、国民健康保険の場合、収入や資産、世帯人数に応じて計算された額を世帯主が納めます。市町村によっても金額が違います。健康保険の場合は、給与水準に応じて計算された額を勤務先と折半となり、給与から天引きされ会社が納めます。

[注2]厚生労働省 我が国の医療保険について

医療費の負担割合

公的医療保険の医療費の自己負担割合は、以下の通りです。[注3]

公的医療保険適用後の医療費負担割合

1ヶ月にかかった医療費が高額となった場合には「高額療養費制度」があります。収入によって定められている自己負担限度額を超えた分の給付を受けられます。例えば年収約370万円〜約770万円の区分の場合は、「80,100円+(総医療費−267,000円)×1%」が自己負担限度額となります。[注3]

高額療養費制度適応後の医療費負担割合の例

[注3]厚生労働省 「我が国の医療保険について」

民間の医療保険とは?公的医療保険との違い

患者の手を握る男性

次に、民間の医療保険とはどんなものなのかについて見ていきましょう

民間の医療保険は公的医療保険をカバーするもの

民間の医療保険とは、民間保険会社が販売している保険商品で、公的医療保険でカバーしきれない医療費への備えとして活用されます。

たとえば病気で入院した際は、公的医療保険で保障される治療費以外に、食事代や差額ベッド代などの多くの費用がかかります。これらの経済的な負担を、民間の医療保険で備えられます。

民間の医療保険は、任意に加入するものでその際には、健康状態を告知する必要があり、全国民が加入できる公的医療保険とは異なる点です。

保障の内容や給付金額、保険料は、保険会社や商品によって異なるため、自分にあった商品を選ぶことが大切です。

民間の医療保険でどれくらい医療費の負担が減る?

入院した際の治療費以外の費用として代表的なものは、食事代と差額ベッド代になります。具体的にどれくらいかかるか見ていきましょう。
入院時の食事代は「入院時食事療養費」といって1食あたり460円(住民税非課税世帯の低所得の家庭は減免される)を負担することになります。1日あたり1,380円(460円×3食)で、10日の入院では13,800円となります。

差額ベッド代についてみていきましょう。差額ベッドの定義は4床以下で、プライバシーを確保するための設備等が備わっている病床のことを指します。一般的に個室のイメージですが、2人〜4人部屋も差額ベッド代が発生しますので注意が必要です。差額ベッド代は、病院や部屋の人数により金額が異なり、1人部屋の場合は、数千円〜数万円と開きがあります。平均すると1人部屋の場合1日あたり約8,000円、4人部屋の場合は1日あたり約2,500円となります[注4]
ただし、医師から治療上必要とされ、個室を利用した場合は差額ベッド代を負担しなくてもよい場合があります。

概算すると、入院時に治療費以外に必要な自己負担金は、1人部屋を選んだ場合、食事代と差額ベッド代で最低でも1万円弱かかることがわかります。

民間の医療保険の入院給付金が、日額5,000円の場合は約半分自己負担を減らすことができ、日額1万円の場合はほぼまかなえます。

その他にも、入院着のレンタル費や、病院が遠方の場合は交通費などもかかることもあります。病気リスクに備えるには、これらの費用を考慮して預貯金で対応するか保険で備えるかの選択になります

[注4]主な選定療養に係る報告状況(厚生労働省)

民間の医療保険の種類を知っておこう

3つのプランから選ぶイメージ

民間の医療保険にはさまざまな商品があり、希望の保険期間や保障内容などにあわせて選ぶことが可能です。おもな医療保険の種類を分類すると、以下のようなものが挙げられます。

●保険期間
  一生涯保障してくれる「終身医療保険」と一定期間保障してくれる「定期医療保険」
●保険料の支払い期間
  一生涯保険料を支払う「終身払い」と一定期間保険料を支払う「短期払い」
●その他
  女性特有の疾病に対する特約が豊富な「女性向け保険」や、持病がある人でも入りやすい「引受基準緩和型医療保険」など

民間の医療保険は入院費に対する保障だけではなく、がん治療でよく行われる先進医療、新型コロナウイルスなどの所定の感染症に対する保障の上乗せなどの様々な特約が用意されています。また、病気やケガで働けなくなったときの収入が減るリスクに対応した「就業不能保険」も併せて保障の必要性を考えるとよいでしょう。

結局医療保険には入った方がいいの?

生きている以上、老若男女の誰しもが病気やケガのリスクがあります。もしもケガをしたり病気になってしまったりしても、まずは公的医療保険や高額療養費制度を活用することで、家計への負担を軽減できます。

公的医療保険だけではカバーしきれない部分の備えは、預貯金もしくは民間の医療保険を活用します。預貯金の額や保険料負担の家計支出のバランスを考慮して民間の医療保険加入を検討しましょう。

また、医療保険をお探しの方は、日帰り入院から備えられる太陽生命のスマ保険「入院重点プラン」もぜひご確認ください。

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